Research In Motion(RIM)の「BlackBerry」に搭載されているブラウザは、Appleの「iPhone」に搭載されている「Safari」に対抗できる状況にはなく、モバイルブラウザ市場を勝ち抜こうとするRIMにとって見過ごせない問題となっている。しかし、ここに来てRIMは、企業買収によってこの問題に対処しようとしているようだ。
Torch Mobileが現地時間8月24日、RIMによって買収されることを発表した。Torch Mobileは、オープンソースのウェブブラウザエンジンである「WebKit」をベースとして、モバイルブラウザ「Iris」を開発している企業だ。買収金額は明らかにされていない。
「われわれ開発チームは、RIMという世界規模の組織に加わることになった。今後は、WebKitベースのモバイルブラウザ開発という専門技術を生かして、BlackBerryプラットフォームを強化する継続的な取り組みに貢献していくつもりだ」と、Torch Mobileは同社ウェブサイトに掲載した声明で述べている。
Torch Mobileを買収するというRIMの決断は、同社にとって賢明な判断と言える。WebKitはスマートフォン市場の(非公式な)標準となっており、BlackBerryシリーズのスマートフォンのものよりすぐれたブラウジング体験をユーザーに提供している。また、その高速性と堅牢性は広く認められている。さらに、最も重要なのは、WebKitがオープンソースであるということだ。
iPhone、「Palm Pre」、Symbian OS用プラットフォーム「S60」利用の電話機、「Android」搭載電話機など、RIMと競合するいくつもの機器のブラウザがWebKitをベースとしている。RIMはどうやら、同じレベルで戦う必要性を感じ取ったようだ。
TD Securitiesのマーケットアナリスト、Chris Umiastowski氏は8月になって、RIMがBlackBerryのブラウザを2010年夏までにiPhoneに匹敵するものにすると断言していると述べた。その後、Boy Genius Reportが、RIMがBlackBerryのブラウザを「Flash」と「Silverlight」に対応させる計画だとする記事を掲載している。
Torch Mobileの買収は、この目標の達成に向けた最初のステップだと思われる。
RIMは、Torch Mobileやブラウザに関する計画について何も発表しておらず、買収条件についても明らかにしていない。ただし、今後は、RIMがWebKitベースのブラウザをリリースするかどうかではなく、それをいつBlackBerryデバイスに搭載するかという点に関心が移っていくものと見られる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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