携帯電話の業界団体であるGSM協会(GSMA)とビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は2月17日(スペイン時間)、携帯電話を活用した発展途上国向け金融サービスを支援すると発表した。
このプログラムは「非銀行利用者層のためのモバイルマネー」(MMU)と名づけられ、同財団から1250万ドル(邦貨換算で約11億円)の助成金を受ける。携帯電話事業者や銀行、マイクロファイナンス機関、政府開発機関と協力しながら、これまで銀行を利用していなかった層でも安い料金で利用できるモバイル金融サービスを普及させるという。
GSM協会の最高経営責任者 兼 理事であるRob Conway氏は、「今日の新興市場には、銀行口座はなくても携帯電話なら持っている人々が10億人以上もいる。つまり、携帯電話事業者は、ほとんど未開拓の顧客基盤にモバイル金融サービスを提供し、大きな商機を見出せる絶好の立場にいるのだ」と指摘。今後3年間で50億ドル規模の市場が生まれる可能性があるとした。
助成金のうち500万ドルは、モバイルネットワーク事業者が新しいサービスを生み出すための支援に使われる。これまで銀行を使っていなかった途上国の2000万人に対して、2012年までにモバイル金融サービスを提供することを目標としており、特にアフリカ、アジア、中南米を中心に、発展途上国で20件のプロジェクトを支援するとのことだ。
具体的には預金口座などの金融サービスが対象で、「人々が少額のお金を安全な場所にしまっておくことで、危険から身を守り、資産を形成し、次世代にチャンスを残せると考えている」(ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団)としている。
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