総務省から発表された情報通信白書によると、モバイルインターネットの利用者は全体的に年々増加している。特に数年後に自由に使えるお金が増えるであろう13歳から19歳の若い世代と、時間とお金に余裕がある50歳から79歳のシニア層の増加は目覚ましいものがある(図1)。
モバイルサイトへのアクセスを解析することで、それぞれの年齢層がどのようにサイトを利用しているのか、どのような行動傾向であるのかといったことがわかる。サイト内の顧客行動に加え、メールマガジンやバナー、テキスト広告、リスティング広告からの行動傾向がわかれば、それらは強い戦略データになる。
新規契約数は横ばいの状態が続いているが、携帯電話の利用者が音声通話やSMS(ショートメッセージサービス)、カメラといった機能に加え、着メロ、着うたといった音楽コンテンツや、ネットと連動したワンセグ、ラジオも使うようになれば、モバイルインターネットの利用者が増え、コンテンツへの流入も増加するだろう。
コンテンツの需要が増えることで、供給も増える半面、利用者はPCと比較してより限られた情報量の中から必要な情報を探ることとなるため、SEO/SEM対策が重要なポイントとなる。また、サイトのユーザビリティによって、来訪者がその後も利用を続けるか否かは変わってくる。
つまり、探されやすいサイトを意識しつつ、来訪者にとって利用しやすいサイトを提供していくことで、コンテンツ価値を高めていく必要があるのだ。ただ、コンテンツ価値を高めると言っても予算は限られている。制作、運営サイドの勘に頼るのではなく、モバイルサイトのアクセスを解析し、来訪者の行動傾向、属性を把握することが、よりコストメリットの高い結果を生みだす。
モバイルサイトが、技術面でPCサイトと大きく異なる点として、「Cookie」「IPアドレス」「リファラ」の制約が挙げられる。
Cookieとは、同一訪問者による来訪を判断するキーだ。「訪問数」「ユニークユーザ数」「再来訪数」などの指標に使われる。しかし、Cookieに対応していないキャリアや携帯端末があることから、モバイルサイトの解析においては定型的な指標として取り入れることができない(図2)。
IPアドレスは、PCサイトの場合、同一訪問者の接続元を判断するキーとして利用されることが多い。しかし、モバイル場合は常に同一の場所からのアクセスとは限らず、移動や接続のタイミングなどによってキャリア毎の様々なゲートウェイを通ることから、定型的な指標として取り入れることができない(図3)。
リファラとは、来訪者が解析対象サイトに来訪する前にどのページを閲覧していたかという情報だ。リファラ情報を分析することで、広告バナーやテキストリンク、検索エンジン、検索キーワードなど、どのようなきっかけで来訪したのかが判別できる。しかし、モバイルサイトの解析においては、キャリアや携帯端末の仕様によって、リファラ情報に参照元や検索キーワードといった情報が含まれないため、定型的な指標として取り入れることができない。
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