KDDIおよび沖縄セルラーは8月28日、「都会的で洗練された大人に似合うケータイ」をコンセプトにした新端末「URBANO(アルバーノ)」(シャープ製)の販売を9月中旬より開始すると発表した。“URBANO”はイタリア語で「都会的な」を意味する。価格はオープンで、従来のものと同等程度としている。
URBANOは、3.0インチのモバイルASV液晶やワンセグ機能、EZ FeliCa、LISMO、消費カロリーなどを確認できるau Smart & Sports Run & Walkなどを搭載。背面のサブ液晶は高級腕時計をイメージし、アナログ時計の表示も可能だ。カラーは、クラシックブラック、エターナルホワイト、ジェニュインレッドの3色。打ち間違えを軽減する分離型のキー配置を搭載し、キー周りはしっとりとした質感で高級感を出した。
50代向けならではの機能も用意されている。「カメラルーペ」機能では、文字を3倍から5倍に拡大できる。新聞の株価や人事欄など細かい文字も、携帯電話をメガネ代わりに使うことで見やすくなる。このほか、ゴルフ場でボールからカップまでの距離を測定できる「ゴルフスコープ」も搭載。シャープ製の端末では定評のある「名刺リーダー」を搭載し、名刺を内蔵カメラで撮影すると、一括でアドレス帳に登録してくれる。
URBANOの発売に合わせ、カスタマイズした「au one」ポータルの提供を開始する。大きな文字で見やすさと使いやすさを考慮した画面構成になった。ターゲットにあわせたリコメンドコンテンツなどを用意し、たとえばジャズフェスティバルなどのエンタテインメント情報やメタボリック対策といった健康情報、株価情報などを提供する。au oneには、URBANOのメインメニューから直接アクセスできる。
これまで、20代〜30代向けの端末を中心としてきた同社だが、総務省の通信利用動向調査によれば、2006年末時点で50代で8割、60代でも約6割が携帯電話を利用しているという。携帯電話市場全体の飽和とともに、利用者の年代も広がってきてきたのを受けて、50代以降のアクティブな大人世代に注目したという。
「大人向けだがちゃんと機能もはいっていて、欠けていたポジショニングのケータイを提供するのが大事」(KDDI コンシューマ事業統括本部 コンシューマ商品企画本部長の長島孝志氏)という。
他社の競合ラインアップとしては、ソフトバンクモバイルのTHE PREMIUMシリーズがあり、NTTドコモからも8月に50代をメインターゲットとした「N706ie」が出たばかりだ。
これまでの基本機能にしぼったベーシックな「シニア向けケータイ」とは異なり、高級感を重視。トレンドとなっている機能を搭載しながらも、文字の大きさなどや聞き取りやすさなど使いやすさをプラスした50代前後をターゲットへのアプローチが活発になってきた。
「特に他社に遅れているとは思っていない。この層には、どのキャリアもこれまではラインアップが薄かった。(端末の)機能でも負けていないし、特にこだわったのはデザイン。デザインでは絶対に勝とうと思ってやってきた」とコンシューマ事業統括本部 コンシューマ企画本部 au市場開発部長の村井義明氏は語った。
KDDIでは、30代後半から40代向けの携帯電話もすでに準備していることを明かし、「次の商品発表会で紹介できると思う」としている。
発表会場には、“ちょい不良(ワル)”の代名詞として知られるパンツェッタ・ジローラモ氏が登場。「僕は洋服も見られるけれどケータイを出すときも見られる。ポケットチーフの代わりにURBANOを入れてもかわいい。色は3色持てたら一番いい。多くのカッコイイ大人に使って欲しい」と語った。
また、ふだんから名刺の整理に困っていることを明かし、名刺リーダー機能を絶賛するなど、仕事でも遊びでも使えることをアピールした。
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