ソフトバンクが8月5日、2009年3月期第1四半期の連結業績を発表した。iPhoneについては販売台数を明らかにしなかったものの、想定以上の売れ行きとし、パケット定額制の2段階定額化や法人販売などでさらに販売を伸ばしていく考えを示した。
ソフトバンクの2009年3月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比2.4%減の6472億5500万円、営業利益は同8.1%増の850億8600万円、経常利益は同6.1%増の542億7200万円、純利益は同22.9%減の193億6800万円となった。
売上高が減少したのは、携帯電話端末の割賦販売によってユーザーの端末買い替えが減り、端末販売に伴う収入が減ったため。機種変更の台数は前年同期の109万台から72万台へと34%減少した。これにより、端末の売上高は139億円減っている。ただし、解約率が0.98%と、前年同期の1.46%から減っていることから、「機種変更の台数も解約率も下がるというのは経営的には望ましい方向。より長期に使ってもらっているということだ」(ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏)とし、利益重視の戦略に沿うものだとした。
なお、話題のiPhone 3Gについては、7月11日発売のため今回の業績には含まれていない。iPhoneの販売台数も公表していないが、「想定以上。満足いくスタートダッシュが切れた」とし、好調な売れ行きであるとした。
8月利用分からは、iPhoneを利用する際に契約する必要があるパケット定額制料金プラン「パケット定額制フル」を2段階定額とするほか、8月6日からiPhoneの予約を受け付ける。
さらに8月から、企業システムと組み合わせた法人販売も始める計画。「使い方に関するトレーニングプログラムを受けた販売員から売るように、準備を進めている」(孫氏)。販売はソフトバンクモバイルとソフトバンクテレコムの両方が担当するとのことだ。これらの取り組みにより、iPhoneのさらなる販売拡大を目指す。
孫氏は自身の経験として、「先週中国に行って、人生初の体験をした。1995年ごろからネット関連のビジネスをしており、毎月のように海外出張をしているが、初めて海外出張に行って1回もノートPCを使わなかった。iPhoneでスケジュールやメール、メールに添付されたPowerPointファイルなどを見られたからだ」と話し、「iPhoneが出る前と後では人生観が変わるほどの衝撃を受けた。毎日(iPhoneを使うのが)楽しくて仕方ない」とiPhoneの魅力をアピールしていた。
ただしiPhoneのユーザーからは、3Gネットワークがつながりにくいという点や、ブラウザ「Safari」が突然落ちて使えなくなるといった点が不満点としてあがっている。これについては、「ネットワークは十分にいけると感じている。Safariは多くのアプリケーションを動作させるとメモリ不足で落ちてしまうが、端末下にあるホームボタンを長押しするとメモリがリセットされてさくさくと使えるようになる」(孫氏)とのこと。また、OSやアプリのバージョンアップで今後改善されていくだろうと期待していた。
iPhone 3GをWi-Fiモデムのようにして使える「NetShare」というiPhone向けアプリが話題になっている点については、「現在のところ様子を見ている。問題があるようであれば対応する」(孫氏)と述べるにとどめた。
ユーザーが携帯電話の小型基地局を自宅に設置できる「フェムトセル」の導入については、「通信事業法の体制が整ってきた。現在実験をしており、年明けくらいから本格提供できるのではないか」(孫氏)としている。
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