存在感を増しつつあるモバイルソーシャルネットワークの「Brightkite」は、新しいモバイル市場を支配しようとしのぎを削っている無数のモバイルソーシャルネットワークからの深刻な競争にさらされている。しかし、Brightkiteはいくつかの秘策を用意しており、同社はそれによって競合他社を引き離すことができるのではないかと期待している。中でも最も重要なポイントは、ユーザーの実生活と融合するソーシャルネットワークを作成できることである。
Brightkiteは4月中ごろにプライベートベータ版をリリースし、100人に招待状を送った。これらのユーザーが、付属されている5人分の招待状を使って他のユーザーを招待したため、Brightkiteはユーザー数を伸ばし始めている。「Web 2.0 Expo」や「ROFLCon」のような最近のカンファレンスでもさらにうわさが広まった。
デバイスに依存しない、SMSベースのアプリケーションであるBrightkiteでは、ユーザーは現実世界のさまざまな場所で「チェックイン」し、同じ場所に他に誰がいるか、誰がいたか、そして近くには誰がいるかを確認できる。チェックインはテキストでもウェブでもできるが、携帯ユーザーはテキストでチェックインするのが最も簡単だ。
チェックインしたら、「Twitter」のような方法で更新を投稿したり、brightkite.com/people/usernameの形式のURLで指定される自分のBrightkite対応ストリームに写真をアップロードしたりすることができる。
近所の喫茶店やお気に入りの飲み屋といった場所も独自のストリームを持つことができる。こうした「プレースストリーム」は、その地域にいるBrightkiteユーザーが発言や写真を追加していくことによって形成される。
Brightkiteのいいところは、Twitterに取って代わろうなどと考えていない点である。BrightkiteはTwitterの上にもう1つのレイヤを追加するにすぎない。同社では当初はこの種の統合機能を提供する予定はなかったのだが、Twitterと統合することがBrightkiteのユーザーにとっても大きな魅力になると気づいた。現在ではTwitter以外に「Fire Eagle」とも連携している。どちらのサービスもAccountタブで有効/無効を切り替えられる。
現在のBrightkiteのシステムでは、ユーザーは「プレースマーク」と呼ばれるさまざまな場所からチェックインできる。プレースマークはウェブまたはSMSで設定できる。こうしたプレースマークは具体的である必要はない。あえて自宅の住所や勤務先の住所でチェックインすることもできるが、好みに応じて都市、州、さらには国レベルでチェックインすることもできる。プレースマークには好きな名前を付けられる。例えば、筆者であれば実際の住所を公開する代わりに「Tampa, FL」というプレースマークを作成してこれを「ホーム」にするかもしれない。
ネットワークで友人を追加するときには、単に「友人」として設定することもできるし、友人に設定した上でさらにそれらの人々を「信頼できる友人」に追加することもできる。「信頼できる友人」はきめ細かいレベル設定が可能であり、自分の詳細な住所を公開する人物を指定できる。このようにして、ユーザーはネットワークレベルで人々と接続し、他のあらゆるソーシャルネットワークとほぼ同じような関係を築くこともできるし、同様に実生活の本当の友人とも交流を持つことができる。
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