Verizon Wirelessは米国時間11月27日、2008年末までに同社の技術と互換性のあるあらゆる携帯端末をVerizonのネットワークで使用できるようにし、それらの端末のユーザーが任意のアプリケーションを実行可能にする計画を発表した。
つまり、同じCDMA(Code Division Multiple Access)方式の携帯電話ネットワーキング技術を使用しているSprintと契約している米国のユーザーは、Verizonのデータネットワークでも自分の携帯電話を使用できるようになるかもしれないということだ。しかし、ネットワークを外部のアプリケーションに開放する今回の決定は、Googleなどの企業が手がけるアプリケーション開発プラットフォームとしての携帯電話に対する関心の高まりに対する明確な承認であり、自社の携帯電話を閉鎖的なものにしておく従来のVerizonの手法からの劇的な脱却を意味する。
この問題を批判するあらゆる人々を十分に納得させたわけではないが、27日の発表を含め、Verizonは過去数週間で自社のネットワークを他社の端末やソフトウェアに開放する方向に大きく前進している。
ZDNetのLarry Dignan氏が指摘しているように、Verizonは「iPhone」やGoogleの「Open Handset Alliance」などの競合勢力に対抗しようとしている。そして事実、Verizonは間近に迫った700MHz無線周波数帯の次回オークションに関して米連邦通信委員会(FCC)が下した「オープンアクセス」ルールに対して上訴裁判所に出していた異議申し立てを10月に取り下げたことで、この方向に進むであろうことを明確に示した。
消費者団体は27日、Verizon Wirelessが技術試験と2008年の完全導入を予定している今回の計画を発表したことを称賛しながらも、十分に具体化されていないと指摘している。Media Access Projectでシニアバイスプレジデントを務めるHarold Feld氏は、「これは正しい方向への一歩には違いないが、いくつもの不十分な点があり、米国市民が固定電話と同様の権利を無線ネットワークでも享受できるように保証する法的規制の必要性が強調されている。今のところVerizonの計画ではあらゆる携帯端末にアクセスを保証しているわけではなく、さらにVerizonが自社の機器の使用権利に対して課す可能性がある料金がどの程度の金額になるかも明確ではない」と声明で述べている。
さらに消費者団体Public Knowledgeの会長兼共同創設者であるGigi B. Sohn氏は声明で、Verizonの発表は「注意を要しながらも喜ぶべきこと」であるとしながら、「非常に限定的」であると述べている。「他のキャリアが同様のモデルを導入しなければ、ユーザーは今後も自分の携帯電話を特定のテクノロジや携帯キャリアでしか使用できないことになる。他のキャリアがVerizonの例にならうまでは、iPhoneもAT&T以外のネットワークでは使い道がないだろう。オープンネットワークを実現するためには、すべてのキャリアが参加する必要がある」(Sohn氏)
Verizonは6380万人の加入者を擁し、AT&Tに続いて米国第2位のキャリアである。Verizonに続くキャリアとしてSprintやT-Mobileがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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