最終更新時刻:2008年7月25日(金) 17時24分

モバイルチャンネル

「日本はWeb 2.0を飛び越すかも」--ティム・オライリー、伊藤穣一と語る

林信行

2007/11/15 16:49  

 日本初開催となる「Web 2.0 Expo」が11月15日、東京都内で開幕した。ウェブの最新技術と、それ可能にした新しいビジネスについて語られるカンファレンスは、Web 2.0提唱者として知られるO'Reilly Media 創業者でCEOのTIm O'Reilly氏とネオテニー代表取締役社長の伊藤穣一氏の対話セッションでスタートした。

 まず、O'Reilly氏が1人で登壇。Web 2.0の定義を振り返ったうえで、「Web 2.0は、その形態はもちろん、ビジネスモデルも、どれだけ多くの人を巻き込んでいるかという点でも、まだ発展途上にある」と付け加え、伊藤氏を壇上に招いた。

TIm O'Reilly氏 Web 2.0の提唱者として知られるTIm O'Reilly氏

 2人の対談は、O'Reilly氏がお題を出し、伊藤氏が日本の状況、O'Reilly氏が米国の状況を踏まえた考察を述べるという形式だった。

 日本でのWeb 2.0の広まりについて、伊藤氏は「日本もWeb 2.0のトレンドに向かって動いているが動きは遅い」という見解を述べた。

 変化が起きにくい背景として、日本ではベンチャービジネスの展開が難しいこと、国内市場規模が中途半端に大きいため、国内市場ばかりに注目して国際的な動きに鈍感になりやすいことなどをあげた。

 伊藤氏は「日本ではトレンドの波は、米国のように小さな波がいくつも押し寄せるのではなく、たまに大きな津波がやってくる形」と語る。「波乗りに失敗したら溺れてしまうが、うまく波に乗れば大成功が納められる」という意味だ。

 日本のベンチャーの難しさについての議論で、伊藤氏が「80%の米国人が起業家を尊敬しているのに対し、日本では10%以下」という調査データを紹介すると、O'Reilly氏は「米国では、人々が失敗したビジネスについても敬意を払っており、いくつもの失敗を重ねたシリアルアントレプレナーも尊敬されている」と語った。

 グローバル市場対日本市場という話題では、伊藤氏が、米国で成功しているからといって、そのビジネスモデルをそのまま日本に持ち込もうとしても失敗することが多いという考察を述べ、マイクロソフトやヤフーが成功したのは、日本の企業を積極的に回ってサービスや製品を広げた偉大な経営者がいたからだと解説した。

 ただし、伊藤氏も日本に対して完全に悲観的なわけではない。「ほとんどのイノベーションは米国で起きているが、それに日本で独自の味付けが加わり、やがては米国に逆輸入されるということもある」と展望を述べた。例として、米国生まれのSecond Lifeを携帯電話で利用できるようにしたベンチャーが日本にあることを紹介した。

新着記事

注目トピックス From ZDNet Japan

SaaS:あなたはもうこのバズワードを無視できないSaaS:あなたはもうこのバズワードを無視できない
SaaSやSOA、NGNにESP。ただでさえ具体像の見えない言葉が、ITベンダー側からの情報しかなく、経営や事業とどう関係するのか全く見えない。そんな経営者のために、「あなたのビジネスにどう関係するか」「あなたの業界に何が起こるか」という視点でバズワードの実際を語ります。第1回目はSaaSです。
サポセンに持ち込まれた「世にも奇妙なPC」たち
無料の「Oracle Database XE」で高速バッチ処理:実装のポイント
「Windows 7」は順調に開発中--MS開発トップが明らかに
Firefoxで情報をカンタン・ベンリに整理する
iPhoneにFirefoxとFlashは載らないの?
うつで病院に行くことを恐れるな

モバイルチャンネル セレクション

iPhone 3G、発売前夜から祭りのあとまで
iPhone 3Gがついに発売された。ユーザーからの期待は大きく、ソフトバンク表参道、ビックカメラ 有楽町店、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaなどの旗艦店舗には多くの人が行列をなした。発売前後の様子を記事とともに振り返る。
10代の若者と携帯が鍵--米国広告市場における今後の流れ
日本と同様、米国でも10代の若者の間では携帯電話などの携帯端末が主流になりつつある。この流れに着目する企業側は、次の一手を考えている。
「ニコニコ動画を日本のインフラにする」--夏野氏がニコニコ動画に参画した理由
iモードの育ての親として知られる元NTTドコモの夏野剛氏が、新たな活躍の場としてニコニコ動画を選んだ。夏野氏の参画でニコニコ動画はどう変わるのか、夏野氏とニワンゴ取締役の西村博之氏(ひろゆき)に話を聞いた。

モバイルチャンネル コラム

■モバイルインターネット業界の基礎知識

電子書籍、デコメ、着せ替えツール--なぜ今このモバイルコンテンツが伸びているのか
近年急成長を遂げたモバイルコンテンツ市場といえば、電子書籍やデコメール、最近ではメニュー等の着せ替えコンテンツだ。なぜこれらのコンテンツが今、伸びているのだろうか。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

人気を集めるモバイルコンテンツにも変化の波
モバイルコンテンツ市場においては、音楽とゲームが大きな2本柱になっている。しかしその人気コンテンツは、時とともに移り変わっている。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

行動、売れ筋、顧客単価--あらゆる面でPCと異なるモバイルECの世界
今回は、携帯電話による物販を中心とした、いわゆる「モバイルEC」について解説していく。その実態はPCのECビジネスと大きく異なっている。

フォト

企画特集

DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」
〜企業システムの仮想化環境の構築を支援〜

プロダクトレビュー

メンバーズレビュー