チップメーカーのBroadcomは米国時間10月15日、3Gセルラー技術およびモバイル技術をシングルチップに集積した新しいプロセッサを開発したと述べた。
同社によると、同プロセッサは非常に低い消費電力で動作するため、携帯電話メーカーはバッテリ寿命がとても長く、より小型の新しい3G携帯電話を今日よりもかなり低いコストで開発できるようになるという。
この新しい3G携帯電話向けのシングルチップは、世界中で利用される4つの次世代携帯電話技術である、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、EDGE(enhanced data for GSM evolution)をサポートする。カーステレオで音楽を再生するためにFMラジオを送受信することもできる。またBluetooth技術をサポートし、5メガピクセルカメラの処理能力を持つ。
Broadcomは、同技術は、これだけの多機能を単一のチップに搭載したという点において、Texas Instruments(TI)やQualcommなどの競合企業よりも少なくとも1年は進んでいると主張している。また同社は、チップはすでにBroadcomの一部の顧客に提供されているとも述べた。
2006年の携帯電話チップ市場におけるBroadcomのシェアはわずか約1.4%であった。iSuppliによると、一方のTIとQualcommは当時、それぞれ約20%のシェアを同市場で占めていたという。
今回の新チップにより、特に携帯事業者が米国市場よりも高速なネットワークをより迅速に展開しているアジアにおいて、Broadcomの市場シェアはこれらの競合企業に対し増加するかもしれない。Broadcomはこの数年間、携帯電話市場のシェア拡大に向けて積極的に取り組んできた。その結果、同社はライバルであるQualcommとの一連の訴訟にも巻き込まれている。
Broadcomは2007年に入って、重要な戦いにおいて勝利している。米国政府が、Qualcommとその提携企業に対し、Qualcommの3G技術を利用するデバイスを輸入することを禁じたためである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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