いくらウィルコムがW-SIMで通信部分と端末部分を分離したからといって、開発したばかりの端末にW-SIMを挿してウィルコム網に接続するのはリスクが高い。それに代わるシステムが必要だ。このようなW-SIMに対応した端末やミドルウェア、通信網をエミュレートするための技術展示が数多く行われていたのが「WILLCOMコアモジュールフォーラム」のブースだ。
ソフィアシステムズは、WILLCOM SIM STYLEでのアプリケーション開発効率を上げる開発プラットフォームを展示。Linux、Windows CEなど各種OSに対応している。ターゲットボードと呼ばれる、W-SIM対応のハードウェアをエミュレートしたボードでアプリケーションを動作させることで、問題点やバグを端末に実装する前に見つけ出せる。
ネットインデックスが展示していた「W-SIM インターフェイス評価キット」は、開発中のSIM STYLEの基本動作を、ウィルコムの公衆網に接続することなく確認できるキット。W-SIMの装着から発着信までのシミュレーションがPCで可能だ。
NECシステムテクノロジーも同様のエミュレータ「W-SIMエミュレータ(仮称)」を展示。電源のオン、オフや、W-SIMの抜き差し、ATコマンドの解析などが行える。
W-SIMは端末を作りやすくしたといわれるが、アプリケーション開発のハードルはまだ高い。それをサポートするのがシンビーの「PHS 組み立てキット」だ。アプリケーション間の制御ライブラリ「thread++」、通信系を制御する「phone+」、グラフィックライブラリ「sgl++」といったライブラリから構成される。メニュー画面など作成する場合にも画面を確認しながら作成可能。これにより、作業時間が大幅に短縮できる。
ウルトラエックスは、W-SIMを応用したEthernetアダプタ「つないでイーサ OSX-1」を展示。LANコネクタしかないPCでも、この機器を使えばW-SIMを使ってインターネット回線にアクセスできるようになる。PCであらかじめアクセスポイントの設定をした上で、LANコネクタを持つHDD DVDレコーダやゲーム機などに接続すれば、そのままインターネットへアクセスできるようになるのだ。
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