Appleが前四半期の90日間をまるまるかけて販売したどの製品よりも、前四半期中のたった2日間だけ販売された「あの」製品が、米国時間7月25日は注目を浴びることだろう。
Appleがまもなく第3四半期(4-6月期)決算を発表する。同社の四半期業績はここのところ好調であり、25日午後の株式市場取引終了後に発表される四半期決算でもその状況は変わらないと思われる。ウォールストリートのアナリストはAppleが第3四半期に、売上高が前年同期比21%増の53億ドル、利益が同34%増の1株あたり72セントになると予測している。
Macの売り上げは、PC業界では通常動きが鈍いとされる4-6月期に、業界の平均を上回る伸びを見せた。しかし今誰もが注目しているのは「iPhone」の結果だ。同製品は、4-6月期のうちの最後の2日間(6月29日と30日)だけ販売された。
Piper JaffrayのアナリストGene Munster氏は「この四半期は業績に全く期待できない時期だが、iPhoneの動向を気にしている人が多いため、Appleはこの四半期こそが最も注目を集めている」と語った。
アナリストらは、この2日間について、iPhoneのデータが発表されるのを待ち望んでいる。この数字がApple全体の業績に大きな違いをもたらすと考える人は少ないが、それでも、Appleから正式に情報が発表されれば、iPhoneが発売された週末の販売台数が予測しやすくなる。現在は、iPhoneが発売された最初の週末に、20万〜70万台売れたと予測されている。
American Technology ResearchのアナリストShaw Wu氏によると、AppleはiPhoneの販売台数と売上高の両方を決算報告で発表するものと見られるという。ただ同氏は、公表される実際の売上高と販売台数では計算が一致しないはずであるとも、警告する。
Appleは既に、iPhoneの売り上げのすべてが販売時点で計上されるわけではないことを明らかにしている。同社は、iPhoneの売上を販売時点から24カ月間にわたって計上するという。
サブスクリプション契約ベースの売り上げを計上する手法を採用することで、Appleは顧客に追加料金を請求することなく、アップグレードや修正パッチを段階的に投入できるようになる。これは「MacBook」と「MacBook Pro」に搭載されていた802.11n無線チップのロックを解除するソフトウェアのダウンロードに、1.99ドルを課金せざるを得なかった過去の反省に基づいた措置である。AppleはMacBookとMacBook Pro販売時にすべての売上高を計上しており、802.11nチップの存在を告知していなかったことから、製品アップグレードの価格設定を求める会計規則に従うためには、追加ソフトに課金するしかなかったためである。
その結果、特定の四半期をみても、その期の売上高と販売台数が一致しないことになった。売上高にはiPhone用アクセサリや、月額利用料の分配プランに基づいたAT&Tからの収入(Munster氏はこれがiPhone1台につき、1カ月11ドルの収入になるだろうと見積もっている)が含まれる。
AppleとAT&Tの間の取り決めの詳細は明らかにされていない。PiperのMunster氏は、この取り決めがAppleの今後のiPhoneビジネスのカギを握っていると考える。
Munster氏は、「iPhoneの特筆すべき点はここにある。レベニューシェアモデルはとても珍しい。彼らは業界のルールを塗り替えようとしている」と語っている。
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