Intel製チップがベースとなる「ネットブック」の成長速度は2010年に失速し、Intelの対抗企業が製造するチップをベースとした「スマートブック」の登場も、それほど目ざましい成果をもたらさないだろうとの分析が、複数のアナリストによって発表されている。
Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は、先週の決算発表における電話会議の席上で、2009年中のネットブックの成長が好調であったことを指摘していたものの、Avian Securitiesによれば、2010年中の標準的なノートPC出荷台数の増加速度は、ネットブック出荷台数の増加速度を上回るものになるという。
Avian Securitiesが米国時間1月18日に発表した調査報告では、「過去数年間で予想を超える大きな驚きとなったのは、ネットブックの登場である。しかしながら、2010年中は標準的なノートPC出荷台数の伸び率がネットブックを上回ることになると確信している。2010年の標準的なノートPC出荷台数は1億8000万台を突破し、2009年の約1億4000万台から増加すると見られている。一方、ネットブックの出荷台数は、2009年が約3700万台だったのに対して、2010年は約4700万台にまで伸びることになる」との分析が出されている。
よりPCメーカーは利益を上げることが求められているとの事実も、このトレンドに拍車をかける要素に含まれている。ネットブックの典型的な値段は350ドルと低価格であり、標準的なノートPCよりもPCメーカーにもたらされる利益は少ない。「PC(メーカー)は、過去数年間でネットブック人気が非常に高まったことによって失われたマージンをいくらか取り戻す方法を、あきらめずに探し出そうとしてきた」(Avian Securities)
続いて、調査報告では「さらには、標準的なノートPCサイズの小型化および薄型化が進みつつも、ネットブックよりも性能面で上回り、ベーシックモデルであればネットブックとの販売価格差はわずか100ドルにとどまるのを受けて、より多くのコンシューマーが標準的なノートPCの購入へと戻る傾向にあると予測している」と、Avian SecuritiesのアナリストであるDunham Winoto氏は記している。
IntelのシニアバイスプレジデントであるSean Maloney氏も、米CNETが2010 International Consumer Electronics Show(CES)で実施したインタビューにおいて、ややネットブックよりは上位のセグメントに入る超薄型ノートPC市場について、やはり今回とある程度似たような発言をしていた。Maloney氏は、2009年に遅いスタートを切ったものの、いまや超薄型ノートPC市場が成長し始めていると語った。
一方、Intel製チップをベースとしたネットブックに対抗する新たなスマートブックに関しては、2010年に市場には登場するものの、予想よりも遅い立ち上がりとなるようだ。Gartnerが2010年のCESに合わせて発表した「Semiconductor DQ Monday Report」では、Qualcomm、Freescale Semiconductor、Texas Instrumentsといった企業が発表した、省電力性能のARM製のチップを搭載したスマートブックについて、いまだ販売商品というよりはコンセプト製品に近いと分析している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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