就職活動中の人にとって、求人広告は企業を知るための第一歩。ネットユーザーはウェブサイトや雑誌などの求人広告をどのように見ているのだろうか。20代から40代の男女を対象に意識調査をおこない427名の回答を集計した。
そのうち、就職活動経験者は288名(67.4%)。就職活動経験者で求人広告(ウェブサイトや雑誌など)を見たことが「ある」としたのは215名(74.7%)だった。
就職活動時に求人広告を見たことがあるとした人に、求職時にピンとくる求人広告のキーワードはどのような言葉か聞いたところ(複数回答形式)、1位が「経験者歓迎」67.9%、2位「未経験者歓迎」58.6%、3位「ゼロからしっかり指導」40.9%と、企業側の受け入れ態勢を示すキーワードが上位に並んだ。以下「きれいなオフィス」「アットホームな職場」「駅チカ」も20%以上と票を集めた。
年代別にみると「経験者歓迎」では、40代(75.0%)と30代(73.9%)が高く、20代(59.6%)と大きく差をつけている。社会人として年月を重ねてきた年代は、今まで培ってきた経験を生かせる職場にと考えているのだろうか。
しかし、「経験者歓迎」と対極にある「未経験者歓迎」「ゼロからしっかり指導」などのキーワードでも、わずかながら40代・30代の支持が高い。新たなステージへのチャレンジ意欲からなのか、それとも不況のあおりもあり就きたい職業に必ず就けるという状況ではないためなのか、気になるところである。
男女別では、女性が「駅チカ(32.7%)」で男性より21.3ポイントも高いのに対し、男性は「IT業界(29.5%)」「責任のある仕事(18.1%)」「業界トップ(15.2%)」といった項目の比率が高くなっており、立地も重視の女性、業界の将来性や仕事のやりがいも気になる男性、という傾向がありそうだ。
続いて、印象が良いのはどのような求人広告か聞いてみた。「仕事の内容がわかりやすい」が77.2%で最も多く、次いで「職場の写真が載っている(52.1%)」「会社のサイトURLがある(47.4%)」。以下「文章がまじめ」「先輩社員のコメントが載っている」「スタッフの写真が載っている」も20%台となっている。
上位3項目は特に女性で重視する人が多く、「会社のサイトURLがある」では女性58.2%に対し男性36.2%と22ポイント差。年代別に見ると、「仕事の内容がわかりやすい」はどの年代も70%台だが、「職場の写真が載っている」「会社のサイトURLがある」はいずれも若い年代ほど高い結果に。その会社の雰囲気や情報を少しでも多く得たいという気持ちが強いようだ。
では、これらの求人広告は果たして実際の会社のイメージと同じなのだろうか。求人広告を見て応募し、その企業で働いた経験のある人(93名)に自由回答形式で聞いてみたところ、「広告のイメージとは違ったが、さほど悪い印象は持たなかった」「仕事の内容が思っていたものとまったく違った」などの意見が複数。良い意味でも悪い意味でも「実際はイメージと違った」という主旨の答えが多かった。
現実的には、その職場に飛び込んでみないとどのような会社かわからないといったところのようだ。「仕事内容が分かりやすい」「職場の写真が載っている」広告が好印象なのは、より具体的なイメージを掴み、その不安を軽減したいという求職者の心情の表れなのかもしれない。企業側は、より実際の姿に近い求人広告を出すことで応募者とのイメージの不一致を減らし、合致した人材を見つけやすくなるのではないだろうか。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力