米Yahooが2008年に「Yahoo Search BOSS(Build your Own Search Service)」を発表した際、同社はこのサービスから収益を上げる計画であると述べていた。そして米国時間2月11日、同社は検索データの大量使用に課金するという新たな方法を発表した。
YahooのBOSSチームに所属するAshim Chhabra氏によるブログ投稿によると、YahooはBOSSのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の使用に課金する予定であるという。他のウェブサイトはBOSSのAPIを使用することで、Yahooから検索データを取得し、自らのコンテンツの目的に合うように加工することができる。Yahooはこれまで、トラフィック量の多い他のサイトに対して、検索結果の横にYahooの検索広告を表示してもらうことで、BOSSの収益化を図る計画であった。
Chhabra氏によると、今回の新しいアプローチにより、企業は独自の商業目的を追求できるようになるとともに、制約が緩和されることでBOSSをより有効に利用できるようになるという。
Chhabra氏は「われわれは2つの理由から課金制度を導入する。まず、最も重要なこととして、われわれはBOSSの機能とパフォーマンスの双方を改善するさまざまなテクノロジに懸命に取り組んでおり、こういった開発を支えるために使用料金が必要となってくるのである」と述べるとともに、「第2に、今回提案している価格体系を導入することで、プロ意識の高い開発者の最適化能力によってエコシステムを改善できるようになると信じている」と述べている。
BOSSは、検索分野における強敵Googleに対する競争力を強化しようとするYahooの取り組みの一環である。なおNielsen Onlineによると、Googleは1月時点で、競合他社を抑えて市場シェアのトップを誇っているという。
今回緩和される制限の1つとして、1回のBOSS API呼び出しで取得できる検索結果の数がある。新たに導入される価格体系では、この制限が50から1000に引き上げられることになる。またYahooは、他社に対してBOSSの信頼性を提示するために、サービスレベルに関する合意(SLA)を提供する予定である。
BOSSの価格ページによると、この新価格体系は第2四半期後半に適用される予定であるという。該当サービスの利用者は、ユニット単位で料金を支払うことになる(1ユニットあたり10セント)。例を挙げると、1000回の検索に対する最初の100件の検索結果は10ユニットとなる。開発者は1日当たり30ユニットまで無償で使用でき、ピークタイム以外は単価が下げられる予定である。
Yahooはまた、SearchMonkeyが採用している一部のテクノロジをBOSSに取り込むことも発表した。SearchMonkeyでは、ウェブサイト側でマイクロフォーマットと呼ばれるコンピュータ指向の記述を付加しておくことで、Yahooの検索結果に特定の情報(例えばレストランであればその住所など)を含めることができるようになる。このアイデアは長期にわたって開発されており、「セマンティックウェブ」と呼ばれているものである。これによって理論上、ウェブページに表示されている内容をコンピュータに把握しやすいものとすることができる。
Chhabra氏によると、BOSS APIは今後、取得した検索データ内の構造化されたデータに着目するような設定が可能になるという。
また、BOSSは他にも2点の機能強化を明らかにしている。1つ目は、検索結果に表示される説明が170字から300字まで拡大されたことである。2つ目は、Yahooの「SiteExplorer」テクノロジのデータが利用できるようになったことである。この技術によって特定のウェブサイトでの人気ページや、そのウェブサイトにリンクしている他のサイトのリストを見ることができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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