新聞業界は業績の悪化という課題に取り組むことを余儀なくされているものの、米国時間1月27日にNielsen Onlineが発表した調査報告によれば、米国内でインターネット上にニュースを提供している10大新聞社は、2008年12月に、前年同月比で16%のウェブトラフィック増加を記録した。
現在、ますます多くの紙ベースの出版物が、購読者数の減少と、オンラインへの広告シフトを受けて、廃刊に追い込まれたり、発行日の見直しや、オンライン版のみの発刊にスイッチすることが求められる厳しい状況にある中で、今回の調査結果は、良い前兆となっている。
12月の月間ユニークビジター数は、前年同月よりも大幅に増加して、4010万人に達したと、同リポートは伝えている。
Nielsen Onlineのメディア媒体調査部門ディレクターであるChuck Schilling氏は、次のような声明を発表した。
ホームページを開設している米国内の10大新聞社のうち、実に9社が、過去1年間で好調な伸びを記録した。
12月には、景気後退がホリデーショッピングシーズンに与えた影響から、オバマ氏の最新閣僚人事に至るニュースまで、多彩なトピックが並び、目ざましいトラフィックの増大へと寄与することになった。
12月のインターネットトラフィックを計測した同リポートによると、The New York Times紙は、ユニークビジター数が、前年同月比で6%増となる1820万人を記録した。
USA Today紙のユニークビジター数は、前年同月比15%増となる1140万人へ、The Washington Post紙は、12%増となる950万人へと上昇した。
大幅なユニークビジター数の増加を記録した新聞社の中には、驚くべき99%増となる590万人のアクセスがあったNew York Daily News紙、73%増となる800万人のアクセスがあったLos Angeles Times紙、60%増となる460万人のアクセスがあったNew York Post紙などが挙げられる。
こうした増加にもかかわらず、有料購読者を対象とした新聞発行部数の調査を進める米新聞発行部数監査会は、米国内で日曜版を発行する25大新聞社の半年間の平均発行部数が、2008年4〜9月の半年間で、3.2%〜7.2%の減少を記録したことを伝えている。The Washington Post紙の発行部数は3.2%減となり、New York Daily News紙の発行部数は7.2%減となった。
Schilling氏は、以下のような警告も出している。
新聞社が現在直面している問題は、こうしたオンラインでのニュース読者から、いかにして売り上げを確保し、増加するアクセスを、どのように売上高につなげていくかという点にある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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