米Yahooが提供するオープンソースのメールおよびカレンダーソフトウェア「Zimbra」の有料メールボックス数は、2008年6月の時点では1100万件だった。これは、2007年5月時点で800万件、TechCrunch 2006年10月に報じた時点では400万件だったことを考えると、大幅な増加である。
そして、The VAR Guyは米国時間1月19日、Zimbraの有料メールボックス数が2000万件に達したことを報じた。およそ7カ月間で大幅に増加したことになる。その増加分の大半はZimbraとComcastとの提携によるものと見られるが、それにしても驚異的な勢いである。
筆者は先日、Zimbraの大幅な顧客増が、IBM、Microsoft間の顧客の奪い合いよりもはるかに重要であると述べた。3万の顧客に2000万件の有料メールボックスを普及させたZimbraの実績は、IBMがMicrosoftから500万件のメールボックスを奪い取ったとして勝ち誇っていることよりもはるかに重要な意義を持つ。
Zimbraは、Yahooの大企業向け市場への挑戦の基盤となりうるだろうか。その可能性は否定できない。
しかし、これを実現するには、ZimbraおよびYahooは大きな難題を抱えている。Zimbraの顧客の大半は、教育関連や中小企業である。企業に現在使用中の電子メールシステムを他のシステムに変更させるのは容易ではない。また、標準的なオープンソースのエントリーポイント(つまり部門レベルでの展開)は電子メールに都合がよくない(もちろん、顧客が「Microsoft Exchange」の代替としてCisco SystemsのLinuxベースの「PostPath」でスケールアウトしたいのでなければ)。
おそらく、ZimbraおよびYahooはPostPathのようなExchange代替インテグレーションの開発に注力すべきかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」