G DATAは7月29日、2008年上半期のマルウェアレポート(日本語版)を発表した。2007年のマルウェア数は前年比で3倍以上の増加だったが、2008年は上半期を過ぎたところで、すでにこれまでの記録を塗り替える勢いで増加しているという。
2007年は1年間で13万3253種のマルウェアが発見されたが、2008年は第1四半期だけですでに31万8000種以上のマルウェアが報告されており、この傾向から考えると、2008年は前年比約4倍増となる50万種以上の新種マルウェアが作成される見込みであるとしている。
2008年上半期にもっとも増加したマルウェアはバックドアとダウンローダーで、これは犯罪者たちの第1目標が個人情報などの窃盗とパソコンを乗っ取ってボットネットに組み込むことであるということを意味している。特に現在では、悪性コードが仕掛けられているサイトを閲覧することが、もっともウイルス感染の危険性が高いという。
なお、スマートフォンのウイルスの危険性についてはソフトメーカーが誇大報道しているとしている。その証拠に2008年6月までの6カ月に出回ったスマートフォンの新種マルウェア数はわずか41で、しかもこれらを分析したところ、ほとんどが理論上の可能性を試す実証型ウイルスである「プルーフ・オブ・コンセプト」であったという。このためレポートでは、ユーザーに対して危険性を呼びかけるには時期尚早であるとしている。
今後の展望では、新種マルウェアの出現は継続して増加し、これまでの予測を超えた次元に到達する可能性があるという。特に北京オリンピックのように注目される大きなスポーツイベントなどは、この状況をさらに悪化させる可能性がある。サイバー犯罪者たちはこのような大イベントに便乗し、さまざまなデータを入手し、その盗んだデータを売買して利益を得ようとする傾向にある。G DATAでは、スポーツイベント関連で人々の興味を引く内容のメールは、近いうちにかなりの単位で増加すると予想している。
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