これまでYouTubeは、広告販売部門の非効率性に苦しめられてきたが、いまやGoogleは、YouTubeにプリロールおよびポストロール広告を掲載しないとの方針を撤回する準備を整えつつあるようだ。
このニュースは、最初に米国時間7月9日夕刻に、The Wall Street Journal(WSJ)が伝えた。WSJは、匿名の情報筋からの話として、Googleの予測を下回るものの、YouTubeが2008年に、約2億ドルの広告販売を記録することになると伝えている。
しかしながら、この販売額は、ここ数週間に渡って、多くのアナリストやメディア専門家が示した予測額を、大幅に上回るものとなっている。もし(この額が)正確であるならば、これほどの売り上げがあるにもかかわらず、依然として利益性の問題を抱えるYouTubeには、一体どれだけのコストがかかっているのであろうかとの疑問が生じることになるだろう。
Googleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏は、2008年に入ってから何度も、YouTubeの売り上げには満足していないと述べてきた。Googleは、2006年10月に約16億ドルを支払ってYouTubeを買収した後、約2年の歳月をかけ、YouTubeの広告モデルの確立に努めてきたが、それでもSchmidt氏は、苦しい状況を繰り返し明らかにしている。
YouTubeにプリロールおよびポストロール広告を付加することにより、Googleは、広告嫌いのYouTubeの視聴者に対して、より新たな広告手法を提供すると述べてきたが、それに失敗したことを示すものともなる。もっと重大なこととしては、こうした広告が、視聴者からの大反発を招くことにもなりかねない。
これまでもYouTubeのユーザーは、Googleが、もっと広告を掲載しようとする試みに、常に抵抗する姿勢を示してきた。2007年にYouTubeが、動画スクリーンの下部に短く表示される小さなオーバーレイ広告のテストを開始した時、筆者は、これはすばらしいアイデアであると支持した。
オーバーレイ広告は、よくテレビ放送局も使用してきた手法であり、視聴者も慣れている。スクリーン上に、ほんの数秒間だけ表示されると消えていく。だが、YouTubeの多くの愛好家は、オーバーレイ広告は目障りで気を散らすと述べ、嫌悪感を表明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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