みずほコーポレート銀行は1月23日、仮想世界サービス「Second Life」の利用者および周辺技術の最新動向を踏まえ、3D仮想世界のもつ課題と可能性について調査・分析を行ったレポートを発表した。
みずほコーポレート銀行では2007年5月にSecond Lifeに関するレポートを発表しており、当時の新規ユーザー参加数などを元に、2008年末までに総ユーザー数2億5000万人、仮想通貨の年間総取引額が1兆2500億円相当に達するという試算を発表していた。
今回発表されたレポートによれば、2007年春頃からSecond Lifeへ進出する国内企業が相次ぎ、進出企業は100社以上、登録者数は2007年11月末に1100万人を突破したが、(1)利用時のハードルの高さ、(2)利用者側の理解の不十分さ、(3)ほかのインターネットメディアなどとの相互連携性の不十分さ--などにより、直近の登録者増加率は漸減傾向にあるという。
また、現時点において既存のインターネットに比べてリーチ力に欠けること、利用者がITリテラシーの高い層に偏っていることなどから、仮想空間単独での活用には限界も見えており、企業がこの空間を有効活用するには、ほかのメディアとの連動や仮想世界内での顧客コミュニティーの形成などを考えていく必要があるとしている。
一方、進出企業からのヒアリングや利用者動向調査などから、Second Lifeをはじめとする3D仮想空間がもつ特殊性や可能性として、(1)特殊なコミュニケーション環境、(2)気軽に仮想体験ができる、(3)体験とコミュニケーションを同時に行うことができる、(4)人間味を表現し没入感を与える同期性の強さ、(5)人間の直感に訴える3Dの表現力--などを挙げ、一般利用者や進出事業者が、従来のメディアとは異なるこれらの特性をいかに理解し、活用していくかを考えるべき時期にきているとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス