最終更新時刻:2008年7月25日(金) 21時03分

マーケティングチャンネル

インターネット広告の競合分析

千賀由久(マインドシェアジャパン株式会社)

2008/05/22 13:35  

 広告コミュニケーションの中で競合分析はかなり高いウェイトを占めます。特にマスメディアにおいては非常に重要視されており、広告キャンペーン展開の有無に関わらずレポートの提出が求められることもしばしばあります。

 いわゆるマスメディア(TV、新聞、雑誌、ラジオ)においては何十年というメディアの歴史の中で研究され、ある程度の精度を持って第三社競合データが構築されています。言うまでもなくTVの視聴率も広告活動のために作られた副産物と言えるかもしれません。これは広告主、広告代理店、メディアによって「公式」データとして扱われています。

 インターネットの市場においてもようやくこの「公式」になりそうなデータがVideo Research、Nielsen//Netratingsより出てまいりました。現在これらにより競合分析といわれるものが少しずつ重要視されてきています。

 競合分析は@SOV(Share of Voice)ASeasonalityの2点において重要視されます。SOVとはある産業/のカテゴリ全体に対してある広告キャンペーンの広告出稿量の割合です。競合企業に対して自社の広告露出量が相対的にどれくらいの割合を占めているかを示した数値となります。

 これによって、カテゴリ内での自社広告の“目立つ度”を測ることができ、多くは出稿の際に参考値として利用されます。

 Seasonalityとは季節性を考慮する際に利用します。競合の出稿時期を過去データから測定し、展開時期を同時期にぶつけたり、逆にずらしたりすることで広告キャンペーンを効果的に展開することを目的とします。

 インターネット広告メディアプランにおける競合分析はT)競合会社のインターネット広告使用有無 U)競合会社の利用メディアサイト傾向 V)特定キャンペーン/プロダクト広告出稿分析などで利用されることが多くなっています。

 具体的には競合社のインターネット広告の使い方、競合類似商品におけるインターネット広告出稿量/期間などを見ることと同時に“どのメディアヴィークル(広告掲載インターネットサイト)へ出稿しているか?”を重視します。

 これにより業界で常態的に利用されるメディアサイト/スペースなどの把握、今まで自社キャンペーン内で利用実績のない新規メディアサイトの掘り起こしに利用できます。

 ただし、実際のインターネット広告メディアプランの現状ではこれらのデータを“参考値”として利用しているのが現状です。理由としては、

  • インターネット広告が拡がり的にも深さ的にも無限大で通常マスメディアと比較し正しい広告出稿全体量が見えづらい。
  • サンプル調査であることを根底として、Toolの精度、Methodologyなどの成熟度がマスメディアなどと比較して低い。そして、サービスが本格的にはじまったのが近年であるため充分な時系列データの蓄積も少ない。
  • そもそも、競合企業がインターネットにおいて規則性の高い展開をしておらず競合からのLearningが少ない。

 などがあげられます。

 近い将来、測定精度向上と企業によるマスメディアレベルの必要度が上がるにつれ“参考値”から、さらに信頼のできるレベルのデータとして活用されるようになるでしょう。

千賀 由久マインドシェアジャパン株式会社
ディレクター

米国 Golden Gate University にてMBA(marketing専攻)を取得後、1998年オグルヴィアンドメイザージャパンにインターネットメディア担当として入社。その後メディア専門会社マインドシェアジャパン設立時にオグルヴィアンドメイザージャパンから転籍し、その後メディア運営会社勤務を経て、現在の役職に就く。実績としてIBM、SAP、Cisco SystemsなどのBtoBのIT企業の広告を中心にインターネット広告黎明期よりインターネットメディアに関する様々な広告プランを実践レベルで実施/推進。現在はカテゴリを問わず様々な企業のインターネットメディアに対するプラン/コンサルティングに従事。

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