前回の記事にて、ユーザーが「見る広告」「見ない広告」について検証しました。その中で、「Yahoo! JAPANの旧デザインではリスティング広告が見られていないが、新デザインではどうだろうか」という疑問を投げました。今回はそのリスティング広告について、再度検証しました。
上の画像1は、GoogleとYahoo! JAPAN、それぞれのリスティング広告欄です。Googleでは、リスティング広告欄に黄色の背景色がひいてあるデザインとなっています。一方のYahoo! JAPANは、今まではGoogleと同じデザインでしたが、前回のテスト(実施日は2008年11月26日)以降、リスティング広告欄の背景色がなくなり、オーガニック検索結果(通常の検索結果)に近いデザインに変更しています。
今回の被験者には、Yahoo! JAPAN、Googleの両方を使って何らかの調査をしてもらい、その検索結果画面がどのように見られているかについて検証しました。被験者は20〜30代の男女混合5名です。なお自然なユーザー行動を検証するために、被験者達はリスティング広告の検証であることは告げられていません。
さて、Yahoo! JAPANとGoogle、よりリスティング広告が見られるのは、どちらの検索サイトなのでしょうか。Yahoo! JAPANのデザイン変更は、結果にどれくらい影響を与えることになるのでしょうか?
下の画像2は、被験者B(20代男性)が、生命保険を比較するために検索をした時の視線の動きです。
Googleのリスティング広告が全く視線を向けられていない一方、Yahoo! JAPANのリスティング広告はユーザーの視線をとらえていることがわかります。
被験者の視線の動きを動画で見てみると、さらに興味深いことがわかります。下の動画は別被験者E(30代男性)が「転職」というキーワードでの検索結果一覧を見た時の視線の動きです。被験者の視線のスタート位置に注目してみてください。
Googleにおいては、リスティングエリアではすばやく視点を下に移動させ、オーガニック検索結果から閲覧を始めているのに対し、Yahoo! JAPANでは、検索結果画面が表示された直後から、リスティング広告を含め上から順番に見ています。
Yahoo! JAPANのリスティング広告がユーザーにとって「読むべき対象」となっている一方、Googleでは、「対象外」となってしまっていることが、動画を見るとはっきりとわかります。
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