ヤフー VS グーグル--見られるリスティング広告はどっち? - (page 2)

奥井夏子(イー・エージェンシー インフォメーションアーキテクト)2009年02月18日 15時53分

Yahoo! JAPANのリスティング広告を見てしまう理由

 今回のテストでは、程度の差をこそあれ、被験者5人中5人全員が、Yahoo! JAPANのリスティング広告の方により視線を落とす、という結果が出ました。以下は、被験者達の声になります。

 前述の被験者Eは、事後インタビューで「Yahoo! JAPANはリスティングエリア幅が高いので見やすかった」と答えています。「幅が高くて読みやすい」原因の1つは、Yahoo! JAPANの方が検索結果上部にあるリスティング広告の数が多く、リスティング広告エリアが広く取られているためです。キーワードによっては、検索結果画面の約半分をリスティング広告が占めています。

 そこまでリスティング広告エリアが広いと、ユーザーが自然とそこに視線を落としてしまっても不思議ではありません。加えて、そのデザインがオーガニック検索結果に近いものであるため、ユーザーは「広告だ」という圧迫感を覚えず、結果「読みやすい」と感じるのではないでしょうか。

 別の被験者D(20代男性)は、インタビューで「普段Googleを使っているので、Googleの検索結果画面の真ん中あたりから見る癖がある。それが、Yahoo! JAPANの検索結果では、ちょうどそれがリスティングのエリアに当たるので、つい見てしまった」という興味深い発言をしています。

Yahoo! JAPANの広いリスティングエリア 画像3:Yahoo! JAPANの場合、画面のおよそ半分がリスティング広告(ディスプレイの解像度が1280x1024の場合)だが、広告だという圧迫感がない

Googleのリスティング広告は反射的に避けてしまう

 「Googleの検索結果画面の真ん中あたりから見る癖がある」ということはつまり、この被験者はGoogleで、通常リスティング広告の下から検索結果を見ているということです。その他の被験者にもインタビューしてみると、「『(検索結果で)広告を見るぞ』と意識しない限り、Googleのリスティング広告を条件反射的に避けてしまう」という声が数名から聞かれました。

 同じリスティング広告でも、被験者の中には、

  • Google:条件反射的に避ける
  • Yahoo! JAPAN:読みやすい

 という意識の違いがあります。ただ、Googleの検索画面において、上部のリスティング欄を見ないがために、視線が右のリスティング広告へ流れていく場合もあるようです。

Googleの上部リスティング広告は見られていない 画像4:青の線がユーザーの視線の動きを表す。Googleの場合、上部のリスティング広告は全く見られていない。ただし視線が右側のリスティング広告へ流れている。(※画像をクリックすると拡大します)

 画像4は、被験者C(30代男性)が、マンション購入を検討しながらGoogleの検索結果を閲覧した際の視線の動きです。上部リスティング広告が見られていないのは他の被験者のときと同じですが、視線が右側のリスティング広告へ流れています。これはYahoo! JAPANの検索画面では見られなかった視線の動きです。

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