アフィリエイト広告の中での比較サイト - (page 2)

辻拓也(ネットマーケティング)2009年03月06日 18時54分

集客について

 多くのユーザーは、検索結果を元にサイトを訪れる。検策エンジンを用いた集客方法にはリスティングとSEOがある。多くの比較サイトは集客の大部分をSEOで得ているが、いわゆる超大手媒体はリスティングをメインにしている。

 この点に関しては疑問を覚える方もいらっしゃるであろうが、理由は以下の通りである。SEOで上位表示させるには非常に手間と時間がかり、たとえば100ワードで上位表示させることなどは、かなり難しい。いくら「クレジットカード」などのビックワードで上位表示させても、1つのワードでは流入数に限界があるので、自然検索だけに頼っている媒体はある一定レベルで売上が止まってしまう。

 一方、リスティングを使っている媒体は無限にワードを広げられ、さまざまな観点から集客が可能なのだ。しかもスピーディーに出稿できる。「クレジットカード」などのビックワードだけだと費用対効果が合わないが、もっとニッチな視点からも集客をし、費用対効果と規模を両立させている。

 だが、いきなりリスティングで大きな収益を上げるのは困難だ。初めはやはりSEOで利益を出して、それをリスティングに投資するのがよいだろう。

 もちろん、最初に費用対効果を無視してリスティングで露出を増やし、自社サイトをユーザーに認識させるという方法も考えられる。そうして発行枚数を稼ぎ、クライアントから特別単価を受け運用していくのだ。ただしこの方法は、資本にある程度余裕があり、サイトの内容が充実していて、リスティング能力に自信がないと難しいであろう。

 SEOはリスティングほど原価がかからない反面、ほとんどのワードの上位はすでに既存のサイトで埋められているので、いまさら新規参入を試みても「クレジットカード」「クレジットカード 比較」などのワードで上位表示させることはかなり難しいと言える。

 いま上位表示されているサイトは内容も充実しており、認知度も高く、多くの優良ページからのリンクも貯まっているからである。時間の壁はなかなか越えられない。

 筆者はSEOに関して技術を持っている訳ではないが、個人的に上位表示されるのはどんなサイトかを述べさせていただくと、これもやはりユーザー目線である。

 テキストベースでわかりやすく文章が述べられていて、更新頻度も多く、ほかのサイトにないオリジナルの情報が多数載せてあるサイトが上位にある印象を受ける。もちろん外部リンクを貼っただけのサイトも多数上位にあるが、今後本当に生き残っていくのは、やはりユーザー目線のあるサイトであると筆者は考えている。

 では結論として、いまさら比較サイトを立ち上げるのは無理かというと、必ずしもそんなことはない。今後比較サイトを運営していくための筆者なりの考え方や、それに伴って今後の比較サイトがどうなっていくのかについてについて述べようと思う。

 まずコンテンツについて。上でも述べたが、いくつかの媒体が取り入れている口コミ機能つまり実際の商品ユーザーの声がサイトに反映される機能のことだが、これも取り入れ方次第でかなりブレイクするのではないだろうか。オリジナルキャラの設定やエンタメ系の機能など、ユーザー目線から情報満載でかつ楽しいサイトが今後の比較サイト市場で発展していくと思われる。

 比較サイトは、これまでのようにSEOで上位表示させれば売上がたつというような時代から、どれも似たようなサイトが並ぶ中いかにコンテンツやサイトの見せ方の差別化が図れるか、という時代が来るのではないかと筆者は予測している。

 次に集客について。1つ目は、ニッチな分野を狙うということである。たとえば商品先物など、まだ発展してないが、今後期待できうる分野で先行してSEO施策を行っておくと、後々その市場が伸びたときに優位な条件で戦える。ただこれから伸びる分野をぴたりと当てることは相当困難で、弊社としても複数のサイトを立ち上げて、1つ当たればいいという程度の考えである。

 2つ目は、ニッチな集客方法を考えるということである。いまや使い古されているが、クレジットカードに誘導するのに「海外旅行保険がタダ!」というコンテンツを作って集客するのは、1、2年ほど前なら競合が少なく、非常によい集客方法であった。

 リスティングの入札額が安い、あるいは競合サイトが少なく、かつ検索数の多い分野で上位表示させ、ワンクッション置いた後でメインコンテンツへ、という手法はまだまだ深掘りできると考えている。ぜひオリジナルの集客方法を編み出してみてはいかがだろうか。

 そして最後に、リスティングやSEO以外での集客方法を考える、という可能性も述べたいと思う。これは上記のコンテンツの活性化とも繋がるが、たとえばサイトにキャラ設定をして、そのキャラのバナーを貼ってもらうアフィリエイト施策、キャラのブログパーツを配布する施策、口コミ機能や実際の口コミを使った施策など、まだまだ比較サイトにおける未開拓の分野は存在する。

 「クレジットカード」を初め、「ローン」「キャッシング」「FX」など、金融系比較サイトはもう寡占状態にあると言ってもよい。金融分野以外でも「エステ」「コスメ」「レーシック」も同様である。

 今後はもっと多分野に渡って比較サイトは展開するであろうし、思わぬところからの導線も増えていくだろう。よりオリジナリティあふれるサイトが登場していき、アフィリエイト市場もそれに伴って伸びていくのではないかと考えている。だが、その際外してはいけないポイントはユーザー目線であることをもう一度最後に述べたいと思う。

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