「Visual Studio」「.NET」が目指すもの--マイクロソフト幹部に聞く

文:Adrian Bridgwater(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年11月27日 07時30分

 Microsoftは、先日開催されたProfessional Developer Conference(PDC)やTechEdの開発者イベントに刺激され、幹部に「Visual Studio 2010」「.NET Framework 4.0」が持つ革新的な特徴を説明させることに決定した。

 Microsoftは、アプリケーション開発プロセスをこれまでにない水準で分析できるようになるとして、次期バージョンのVisual Studioツールセット(開発コード名「Rosario」)を宣伝している。

 同社は、アプリケーションライフサイクル管理プロセスを普及させるために周到に準備された公約を掲げる一方、仮想化、クラウドコンピューティング、並行処理といった流れから生じるソフトウェア開発ニーズを満たすと同社が主張する、一連の製品強化にも取り組んでいる。

 来るべきツールに光を当てようと、Microsoft本社でVisual Studio担当ゼネラルマネージャーを務めるJason Zander氏と、同部門のグループ製品マネージャーであるMatt Carter氏がイギリスを訪問した。ZDNet UKは、ロンドンのヴィクトリアにあるMicrosoftのイギリス法人で2人に話を聞くことができた。

--新しいツールの中核となる技術提案は何ですか。また、新製品によって、日常的な開発作業はどのように簡素化されますか。

Carter氏:VS2010(Visual Studio 2010)では、コードの構造と機能の面で開発プロセスを理解することに重点が置かれています。また、ウェブアプリケーションの開発の簡素化にも取り組んでいます。私たちは、「Office」のユーザーインターフェースを利用する部門別のビジネスアプリケーションの開発を奨励し、「SharePoint」の開発をVisual Studioの開発に近づけることで、ユーザビリティを向上したいと考えています。

 また、C++の開発者がこれまでに作成してきた大量のC++コードをVisual Studio環境に持ってこられるよう、彼らを支援したいと考えています。Visual Studio 2010は、「Windows 7」ベースのネイティブアプリケーションの開発を簡素化するため、「Visual C++」に対して私たちが行ったさまざまな取り組みの証でもあり、マルチタッチユーザーインターフェースなど、Windows 7と互換性のある革新的な機能をサポートします。

--具体的に言うと、来るべきツールを.NET Framework 4.0に導入した場合、開発者は複雑化するアプリケーションをどのように適切に処理できるようになるのですか。

Zander氏:C#やVisual Basicのような言語を習得し、.NETのようなフレームワークとそれに対するプログラムを学び、Visual Studioとそれらを組み合わせると、これら3つものが一体となって、複雑なものでも、そうでないものでも、ターゲットにしたいさまざまなプラットフォームに向けた、一貫した環境を実現できるようになります。

 現在、すでに実現されていますが、.NET Framework 4.0が登場すれば、さらに一貫性が高まるでしょう。

--それほど早急にRosarioの統合要素が必要だとすれば、あなた方がよく話している、いわゆる開発サイロがそのレベルまで進んだのはなぜですか。間違いなく、この細分化はMicrosoftの既存のテクノロジの使用によって進んできたものです。

Zander氏:大企業では、社内での経営管理のニーズと同時に外部を向いた要素を持つ、重層的な開発が行われるため、ある程度のサイロは常に存在します。現在、目を向けなければならないのは、たとえば、調達部門が外部向けのウェブサービスを新たに構築し、ほかの部門とのつながりを強化する必要があるといった状況です。Microsoftが自社のツールで目指しているのは、これらのさまざまな部門のプログラミングをひとつにまとめ、1つの簡単なタスクにすることです。

--VS2010は「アーキテクトから開発者、プロジェクトマネージャー、テスターまで、アプリケーションのライフサイクル管理を普及(デモクラタイズ)させる」というのが、Microsoftのマーケティング担当者の持論ですが、このような発言の根拠はどこにあるのでしょうか。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]