2006年10-12月期にコンシューマー事業で好調な数字を達成したSymantecのCEOであるJohn Thompson氏に話を聞いた。同氏は、Windows Vistaをセキュリティ問題への解決策であるという見方に対し、警告を発した。
Symantecは2006年の最後の3カ月を、コンシューマー事業の売り上げが前年比で24%伸びるという成績で終えた。同社は新しいフラッグシップのセキュリティツールである、Norton 360を近々リリースする計画であり、新しいID管理製品であるNorton Identitiy Managerもラインアップされている。
エンタープライズ事業については、それほどよいニュースはない。SymantecはID管理市場に参入する計画を見直すことにした。ID管理ソフトウェアは、システムのユーザーの本人確認をし、個別のIDに結びつけられた権限と制限の情報によって資源へのアクセスを制御するものだ。
上空では、ハゲタカがSymantecの様子を伺っている。Microsoftに加えて、EMC、IBM、Oracle、Cisco Systemsなどを含むテクノロジー関係の大企業がSymantecの事業を注視している。しかし、Thompson氏はCNET News.comのインタビューで、Symantecは戦略をよりうまく実行していく必要があるが、恐れはないと述べた。
消費者を混乱させるべきではないでしょう。Vistaはセキュリティソリューションではありません。VistaはOSであり、Microsoftの目から見ても、より安定した、信頼性の高い、安全な動作プラットフォームを構築するという産業界の目から見ても、いくつかの非常に重要な進歩をもたらしています。しかし、利用者は依然としてSymantecの製品や、業界の他の企業が作った製品の機能を必要としています。Vistaが何であるか、というマーケティング上の宣伝文句で混乱させられるべきではありません。VistaはXPやそれ以前の製品よりも良い製品なのかもしれませんが、セキュリティソリューションではありません。
それらの製品が時代遅れだとするのは少し違いますね。われわれが住む家の扉の錠が発明されたのは大昔です。そして、錠はもはや守りの最後の砦ではなく最前線であり、人々はより進んだ錠を買い求めています。それと同様に、アンチウイルスやファイアウォール製品も買われているのです。物理的な世界の資産価値が上がるにつれ、それらの道具や資産の周りを固める防御に対する必要性も大きくなっています。デジタルの世界でも同じことが起こっており、アンチウイルスやファイアウォールは依然として防御の最前線なのです。リアクティブ(受け身的)な防御だけでなく、プロアクティブ(積極的)な防御の新しい能力や機能をより賢く提供できるようになる必要がありますが、それと同時に、ネット詐欺に関係する新しい脅威を扱う技術やID管理などの、他の種類にのものついても提供する必要があります。
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