ディー・エヌ・エーのモバイルゲーム&SNS「モバゲータウン」が絶好調だ。今年2月のスタート以来、わずか9カ月でユーザー数が200万人を突破。11月時点でユーザー数が225万人、月間のページビュー(PV)が39億へ到達するまでに成長し、モバイルSNSとしては異例の成功を収めつつある。ディー・エヌ・エーによれば、1日あたりのPVで比較すると、モバイルサイトの中ではヤフーやmixiよりも多いのだという。
mixiの登場によってPCの世界ではすっかりポピュラーになったSNSだが、実はモバイルでも、名だたる事業者たちが過去数年間にわたって「モバイルSNS」に挑戦し、その多くが苦戦を強いられてきたという事実は、PCユーザーにはあまり知られていない。
では、なぜ「モバゲータウン」だけが、これほど短期間のうちにブレイクを果たせたのだろうか? ディー・エヌ・エー取締役モバイル事業部長の守安功氏に、その勝因、モバイルユーザーとPCユーザーとの違い、そして今後のビジョンについて訊いた。
当社は、PCオークション事業「ビッダーズ」から始まった会社ですが、2004年3月にモバイルにも進出して、携帯オークション「モバオク」を立ち上げました。その後にKDDIと組んで「auオークション」を開設。有料化に踏み切った後も順調にサービスは伸びています。また、その後に始めた「ポケットアフィリエイト」という携帯電話アフィリエイトサービスも好調です。
それで昨年8月ごろから、さらに新たなサービスの検討を始めたのですが、「ポケットアフィリエイト」の運営を通じて得ていたデータから、携帯電話ユーザーには、やはり「音楽」と「ゲーム」がとても反応率が高いという傾向が分かりました。
しかし音楽となると権利関係が大変で参入は難しい。またゲームについても、公式サイト内で有料で提供したのでは、今から新たに参入して、公式サイトの一番下の序列からスタートしたのでは大変です(編註:携帯公式サイトは、前月までのユーザー数やアクセス数など、人気度に応じてサイトでの掲載順序が変わるため、掲載位置が下位のサイトほど不利になりやすい)。
そこで、PCでの事例も含めてビジネスモデルを考えたのですが、PCには広告モデルでゲームを提供しているサイトがあるから、同じことをケータイでやったら面白いかなと思ったんです。そうした例は携帯でも過去にありましたが、やはりクオリティ的にもそれなりのものが多くて、「もし公式サイトゲーム並のクオリティで無料にできたらイケるだろう」と判断しました。
しかし、広告モデルの場合、ゲームのダウンロードだけではユーザーの滞在時間を稼げないので、コミュニティという形にしていこうと。その「つなぎ」としてアバターを用意するなど、ユーザー同士がコミュニケーションを取りやすい仕組みを考慮したんです。
もう開始初日から手ごたえを感じましたね。入会率も高いし、「これだけのユーザー数でこんなにもPVが出るのか」と思うほど、当初からユーザーのアクティビティも高かったです。その後はすぐにユーザー自身が口コミで友だちを集めてくれるようになりましたね。
それは分かりませんが、もともとベースとしては良いサービスと評価されたこと、アバターを着替えたいという仕組みが受け入れられたと思っています。紹介したらモバゴールドをもらえるという仕組みもそこに「スパイス」としてプラスには作用したかもしれません。
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