していません。向こう10年間はシリコンが太陽電池の主流材料になると確信しています。理由はいくつかあります。ひとつは信頼性です。シリコンの実績は他の材料とは比べ物になりません。2つ目の理由は変換効率です。CIGS太陽電池の変換効率は10%未満です。つまり、シリコン太陽電池の方が2.5倍のエネルギーを生産できるのです。
実際に使ってみれば分かることです。これは業界の問題でもあります。太陽光発電業界には詐欺師がうようよしており、事実とはまったく異なることを人々に吹聴しているのです。
バイオディーゼルはすばらしいアイディアだと思います。ガスを育てては燃やし、育てては燃やし、また育てることができるわけですからね。大気中の炭素量を抑制しなければならない地域では、このようなプロセスを導入する必要があるでしょう。問題は、それを経済的に実現できるかどうかです。しかし、バイオディーゼルの取り組みに関して、外野からあれこれ言うつもりはありません。私は専門家ではありませんから。今後の技術革新に期待しています。あっという間に成長する遺伝子組み換え植物が登場し、米国の電力需要の相当部分をまかなうことができる量のオイルを生産できるようになる可能性はゼロとは言えません。
残念なことに、エタノールは補助金漬けの状態にあります。米国中西部の某エタノール会社は政府から巨額の補助金を得ており、その総額は生産コストを上回るとも言われています。ガソリンにアルコールを混ぜたものが燃料として十分に機能することは事実ですが、今のようなやり方ではアルコール燃料の未来にけちがつくのではないでしょうか。
そう思います。誇大広告がまかり通っています。シリコンバレーに関して言えば、ここ数年で最悪の状況です。エネルギー分野への投資が過熱しているひとつの原因は、経済的な見返りが天文学的な数字になる可能性があることです。シリコンバレーではシリコン事業の規模は年間約2000億ドル程度ですが、商用電力事業、つまりユーティリティ事業の規模は年間1兆ドルに達します。
その通り。世界全体ではこの5倍です。つまり、たいへん大きな商機があるわけです。SunPowerはシリコンバレーで最初に上場した太陽光発電会社です。時価総額は20億ドルです。シリコンバレーのベンチャーキャピタルがこのような商機を見逃すはずはありません。エネルギー分野への投資は5億ドルを超えたと聞いています。
Nanosolarの記事は読みました。あきれた話です。NanoDollar(一文無し)に改名してはどうでしょうか。それこそ、われわれに駆逐された後の彼らの姿だからです。エネルギーブームのために、Nanosolarが実体以上の評価を得ていることは間違いありません。
どんな工場が完成するか、お手並み拝見と行きましょう。われわれは3年をかけて工場を建設しました。製造工場の建設に関しては私は20年のベテランです。Nanosolarの技術が本当に効率的なのかどうかが、これではっきりすると思います。Nanosolarは(日本の大手企業の)シャープに挑み、同社より大きな工場を作ってみせると豪語しています(この発言に対して、NanosolarのCEOのR. Martin Roscheisen氏にコメントを求めたが得られなかった)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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