SEOより大事なもの--韓国に見るEC構築サイト成功の鍵

坂本純子(編集部)2007年12月07日 00時22分

 ネットショップ構築のASPとして知られる、GMOグループのメイクショップ。メイクショップのシステムは、韓国のコリアセンタードットコム社のECサービス「MakeShop」をベースに日本向けに開発したものだ。

 インターネット大国として知られる韓国は、ネットビジネスもさかんに行われている。韓国でのネットショップ運営者向けに、韓-日の自動翻訳機能を搭載したネットショップ構築サービス「MakeTrans(メイクトランス)」をリリースするなど、日本への進出も積極的に進める同社は、日本市場をどう見ているのだろうか。韓国におけるEC事情を含めた事業展開について、コリアセンタードットコム社 President & CEOのKim Ki Rock氏に話しを聞いた。

──コリアセンタードットコム社は、現在どのぐらいの規模ですか。

 2000年1月12日に設立し、「MakeShop」ほか10サイトを運営しています。現在は、100人規模でうち開発が30人ぐらい。事業の柱となるのはメイクショップで、約50%を占めます。日本、中国さらに2007年10月には米国にも進出していますが、開発拠点は韓国です。海外でサイトをオープンするときは技術者が出張していき、教え込みます。

──会社を設立した経緯を教えてください。

 大学を卒業後、会社に勤め仕事をしているうちに貿易事業をしたいと思うようになりました。考えていくうちに、まずは、ちょうど活性化しようとしているインターネット事業から始め、貿易は後でやろうと考えた。それがインターネット事業を始めたきっかけです。

 インターネットで商売をしようと思ったとき、どういうものが売れるか考えました。結果、香水にターゲットを置いたのです。値段もある程度して、小さいからです。いいビジネスじゃないかと。こうして99年度に香水ショップ「cocen」を始めたのです。

──cocenが成功し、MakeShopの前身となると?

“左:CMOのCHOI SEUNG SIK氏、右:President & CEOのKIM KIROCK氏 左:CMOのCHOI SEUNG SIK氏、右:President & CEOのKIM KIROCK氏

 当時、韓国でのショッピングモールは、100〜200サイトぐらいしかありませんでした。一番売り上げがよかったとき、cocenは3億ウォン/月ほどありました。今はもう落ちているのですが(笑)。売れた理由は、値段を安かったわけではなく、誰もが書き込めるオープンな掲示板コミュニティを持っていたのがよかったのです。われわれは香水に詳しくありませんでしたが、香水に詳しいお客様が、この香水はいいよなどと教えあってくれました。

 コミュニティがさかんなサイトで、実際に会うオフライン活動もありました。そうしてcocenを運営し、ECサイトの苦労を重ねるうちに、簡単にショップが作れるサービスがあればいいんじゃないかと。そこで、メイクショップという機能がスタートしました。

──無料のサイトもある中、MakeShopの強みはどこにあるのでしょう。

 料金は、無料と5万5000ウォン(約6400円)/月の2通りあります。3万3000ウォン(約3800円)の初期費用がかかりますが、売り上げによる追加料金はありません。韓国の相場からすると、われわれが一番高い。高いけれど、われわれが一番お客様が多いのです。お客様は、ちゃんとしていれば来ます。

 韓国では、いま無料のところもはやっていますが、無料では(運営側が)なにも利益がありません。となると、システムのアップグレードができません。きちんと料金をいただき、そのお金を使ってさらによい機能や提携をしてシステムを連動させるのです。結局お客様はMakeShopにやってきます。アップグレードのない会社の機能は使えないということです。

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