かつてのAMDは失策が多く財務上の損失も多い企業として知られていた。だがそんな同社も、戦略の変更やOpteronのような新製品によって、プロセッサの大手サプライヤーへの変身を遂げた。その一方、Intelは過去3年間で何度もつまづきを経験した。
Intelは今や、新しいチップのラインアップによって、これまでの失敗を取り戻さなければならない立場にある。AMDの最高技術責任者(CTO)であるPhil Hester氏は、AMDが現在の成功に安住しているわけではないと語る。AMDは自社のチップを改良していくと同時に、ATIの買収により、ノートブックやその他のデバイスのための統合チップも発表していく予定だ。
AMDの動きは、復活を目指すIntelを追い詰め続けることができるのだろうか。これが、今週サンフランシスコで開かれたIntel Development Forum(IDF)での大きな話題の1つだった。IBMで23年間働いていたHester氏は、AMDの準備は万端だという。同氏は、CNET News.comのインタビューに答え今後の展望について語った。
この動きを進めている理由は、OEM各社がAMDにその役割を求めたからです。この動きは実際にはモバイル端末分野から始まりました。昨年初めて、われわれはノートPC分野で参照設計を行いました。
OEM各社はAMDに対し、動作検証と認証をもっと行うように希望していました。各社はノートPC分野で独自のパッケージを提供することを望んでいますが、中核となるような部分の設計は、動作検証が行われているものを使いたいと考えているのです。このため、われわれは2〜3のワイヤレスベンダー、2社のグラフィックチップベンダーと連携し、それらの企業の製品を選択できるようにしています。
OEM各社は、「これとこれしかやってはいけない」と一方的に言ってくるIntelのやり方を嫌っています。OEM各社はAMDに対し検証済みのものを挙げるやり方を求めています。現在その対象になっているのは、3社のワイヤレスチップセットベンダーと2社のグラフィックチップベンダーです。
技術面と経営面の両方で、AMDは多くのことを学んできました。
これは実は、われわれが「コマーシャル・ステーブル・イメージ・プラットフォーム」と呼ぶ事業から始まっています。業務用市場では、消費者市場と異なり、頑丈で堅牢性の高いプラットフォームが求められます。そして、この動きはOpteronによる業務用市場での成功から生まれてきたものです。それ以前には、我が社は業務用市場のことをそれほど真剣に意識していなかった、というのが正直なところです。
これはまだ進行中の出来事です。いくつかの大手OEM企業が業務用分野に進出するという発表があったのをご存じだと思いますが、他にも計画中の企業があります。この分野には注目していてください。われわれはこの分野に集中していますが、これは歴史的にAMDがあまり得意ではない分野なのです。
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