ドコモはスマホゲームで存在感を出せるか--トライエースと共同開発「Heaven×Inferno」

 NTTドコモは3月1日、2016年春配信予定のスマートフォン向けゲームアプリ「Heaven×Inferno」(ヘブン×インフェルノ)に関する記者発表会を開催。ゲーム概要について説明した。

 本作はドコモとトライエースとの共同開発タイトル。トライエースはゲーム開発会社として、これまでに「スターオーシャン」シリーズ(スクウェア・エニックス)をはじめ、さまざまなRPGタイトルを中心に手がけている。

  • NTTドコモ コンシューマビジネス推進部部長の前田義晃氏

 冒頭ではNTTドコモ コンシューマビジネス推進部部長の前田義晃氏が、新領域事業の一環として展開しているゲーム事業について、2012年からdゲームとしてスタートした。さらにクラウドゲームやスマートフォン向けのネイティブゲームを展開し、順調に成長を続けているとした。

  • ドコモのゲーム事業

 本作のポイントとして「グラフィンク」「シナリオ」「サウンド」を挙げた。トライエースの技術力を生かしたグラフィックに加え、シナリオには「デュラララ!!」などで知られる成田良悟氏、サウンドにはさまざまなゲームサウンドを手がけてきたエインシャント代表の古代祐三氏を起用しているという。

 引き続き、NTTドコモ コンシューマビジネス推進部の野尻真太氏ならびに、トライエース 開発管理部 プロデューサーの向峠慎吾氏が、ゲーム内容について説明した。

 本作の世界観は人間界、天界、地獄界の世界を描いたファンタジーとなっているが、向峠氏は「トライエースらしさはバトルにある」というように、この3つの世界をストーリー上で行き来するだけではなく、バトルシステムそのものに落とし込んでいると説明する。人間界から敵を打ち上げて天界に移動し、また天界で敵を地面にたたき落とすと地面が割れ、人間界や地獄界まで落とすこともできる。またステージによって階層の属性が異なるため、有利な階層でバトルするといった戦略性も生まれる。向峠氏によれば、不利な場所で勝利した場合はアイテムのドロップ率を高くするなどのギミックも入れたという。

 実際のバトルでは、プレイヤーの顔アイコンをタップして攻撃を繰り出す。またタップだけではなくなぞるように触ると連続で攻撃を出せるようになっている。階層を移動する攻撃技「コンボフィニッシュ」や必殺技なども用意されており、演出も派手だ。

  • NTTドコモ コンシューマビジネス推進部の野尻真太氏(左)と、トライエース 開発管理部 プロデューサーの向峠慎吾氏(右)

  • 3つの世界で展開する物語をバトルでも表現

  • 階層によって属性が異なるため、基本的には有利な階層で戦うという、戦略性が求められる

  • スクリーンショット

  • (C)NTT DOCOMO,INC. /tri-Ace,Inc.

  • ガブリエル役の杉山紀彰さん(左)、ラファエル役の椎名へきるさん(右)

 発表会ではゲストとして、キャラクターの担当声優からガブリエル役の杉山紀彰さんと、ラファエル役の椎名へきるさんも登壇。杉山さんは発表前にプレイする際、使用デバイスがiPad Proだったことから、ネイティブ解像度に対応しているかを確認。対応していると回答を得たエピソードを披露し、グラフィックのクオリティを絶賛した。椎名さんもグラフィックもさることながら、音楽も素晴らしいと感想を述べた。

 また発表会とは別に、ドコモのゲーム事業の中核を担うコンシューマビジネス推進部 ゲームビジネス担当課長の渡辺英樹氏にも話を聞いた。ネイティブゲームについては本格展開を開始して以降、おおよそ1年で5タイトルをリリースしてきたが、「未来家系図つぐMe」が100万ダウンロードを突破しサービスを継続しているものの、それ以外のタイトルは終了を発表している。

もっとも「これまでパブリッシャー事業を展開してきたなかで、パブリッシャー事業をはじめた1年目。未来家系図つぐMeは一定の存在感を出せたところもあり、終了するタイトルもあるが何も無いところからのスタートで、リリースしたからこそゲームパブリッシャーとしてのさまざまな知見やノウハウが得られた。その意味では手応えのあった1年」と振り返る。

 開発会社と協業施策で事業を展開していることから、ネイティブゲームでキャリアフリーにしているにも関わらず「いまだに他のキャリアだから遊べないという風にいわれるところもある」という。まだゲームパブリッシャーとしてのイメージや存在感は薄いが、タイトルを積み重ねながらイメージを変えていきたいと語った。特に本作を担当する野尻氏は、数々のゲーム開発を手がけてきた実績とノウハウを持つ人物だ。Heaven×Infernoは、さらに技術力を持つトライエースと掛け合わせた自信作で、目標も高く掲げているという。今後について、ビジネス環境が激変というぐらいの状況にならない限りは、ゲーム事業も続けていくとしている。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]