6月24日~6月30日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
ちょうど6年前となる2007年6月29日は、Appleの初代iPhoneがデビューした日となる。「携帯電話を再発明する」とSteve Jobs氏が発表したiPhoneは、米国、日本を含めた様々な国で「大して流行らない」と指摘されてきたが、2012年は日米ともにトップセールス。携帯電話の姿そのものを大型タッチスクリーンを搭載したスマートフォンへと変化させるきっかけとなった。
そして現在は、Appleの3分の2の収益を占めるという、非常に大きなビジネスの柱へと成長しているが、これがたった6年間で成立したと考えると、その年月は短かったと言えるかもしれない。
iPhoneの発展と普及に呼応するように、コンピュータ全体がモバイル化していくトレンドも大きくなっていった。もちろん内蔵するチップやモバイル通信網の整備などのインフラ面の普及も後押ししているが、米国にしても日本にしても、特に高速無線通信であるLTEの通信会社による導入、競争材料化のきっかけはiPhone 5だったこともあり、依然としてAppleの影響力が大きい状態にある。
iPadが登場したとき、据え置き型のコンピュータや手に取れるデバイスの形としては最後のパターンになるのではないか、という予測を立てたことがある。その後、小型のiPad miniが登場したり、MacBook Airがバッテリライフの向上でモバイルコンピュータとして見直されたりして、さまざまな動きを見せているが、Appleが新しいタイプのデバイスをリリースするには至っていない。
2013年はGoogle Glassも登場し、身につけるデバイスへの注目が集まっている。WWDC 2013では、ハードウェアに向けられた興味をソフトウェアへと引き戻しているように感じるが、次の6年間のビジネスを作るようなハードウェアを今年登場させることになるのだろうか。
それでは、先週のニュースを見ていこう。
WWDCで発表され、すぐに発売された数少ない製品の1つに、MacBook Airがある。かつては光学式ドライブを排除し、超薄型ノートブックコンピュータのトレンドを作った同機の2013年モデルの目玉はなんと言っても大幅に伸びたバッテリ持続時間だ。
CNETに掲載された記事では各種ベンチマークテストが行われている。興味深いのは、必ずしも処理能力で2012年モデルを上回っているというわけではない点だ。もちろん新型マシンにより最適化されたOS X Mavericksのリリースで結果が変わる可能性もあるが、大幅な処理性能向上を狙う人にとって、大きな魅力とはなり得ないようだ。
しかしバッテリライフの向上は驚くべきもので、13インチモデルで7時間から12時間へと伸びているが、動画再生などこれまでバッテリ消費が大きかった処理については内蔵グラフィックスが省電力に最適化されているため、記事中では14時間以上というカタログ値を超える結果が得られたという。
一方で、Wi-Fiに関しての問題が指摘されている。新モデルでは802.11acに対応し、これまでの3倍の転送速度という触れ込みであったが、接続ができなかったり、非常に低速になったりという問題がユーザーコミュニティで指摘され、Appleは調査に乗り出している模様だ。
ソフトウェア的な改善で解決すれば良いが、ハードウェアの問題となると、分解修理が難しい機種だけに、Apple Storeに預けて修理、ということになりそうだ。
新型「MacBook Air」(13インチ)レビュー--バッテリ持続時間など大幅改善(6月25日)先週、iOS 7はベータ2がリリースされた。通常Appleは正式版がリリースされるまで、3~4回のベータ版をリリースしており、iOS 7に関しても秋の正式リリースまで、ベータ版のリリースが繰り返されることになりそうだ。ソフトウェアの改善や不具合の修正、新機能の追加など、iOS 7が最終的にどんなOSになるのかが少しずつ明らかになっていく。
iOS 7のベータ2では、iPadに対応し、タブレットでのiOS 7がどのような姿になるのか、開発者向けに披露された。またベータ1ではなくなっていたボイスレコーダーも、ベータ2では復活し、音声録音に対応したという。今後も様々な改善や追加が行われることになるだろう。
ベータリリースが繰り返されるiOS 7だが、この動作を見て次のiPhoneがどのような使用になるのかを推測する記事が配信されている。主な論点は、カメラの改善、センサ類の追加、ミュートスイッチのデザイン変更、そしてNFC内蔵がない、という4点だ。
センサ類の追加とNFCが内蔵されないという指摘は相反するように思われるが、前者は場合によっては新たなハードの追加ではなく、既存のセンサや無線技術を使って位置情報に関して機能が向上する可能性もある(WWDC2013の基調講演のスライドで表示されていた「iBeacon」に対する予測)。またNFC非内蔵という予測は、無線を使って写真などをやりとりするAirDropを強調していたことから来ている。
これまでのパターン通り2013年秋に「iPhone 5S」としてリリースされるなら、大きなデザイン変更は見られないだろう。一方で、画面サイズの大きなiPhoneの登場や、本体カラーの追加、ワイヤレス充電などの指摘もなされており、このうち画面サイズに関しては、iOSからヒントを得られるかもしれない。
「iOS 7」から推測する次期「iPhone」--新ハードウェアに関する4つのヒント(6月24日)Appleに関する法廷のニュースが3本流れてきている。中でも注目は、米裁判所がAppleとSamsungの特許訴訟において、Samsungの最新機種であるGALAXY S4を訴訟対象に追加しないとの意向を示したことだ。その理由として、「裁判所の労力に負担を課す」ことを挙げており、AppleとSamsungの裁判について、裁判所が積極的な問題解決の姿勢が見られない事への反発、もしくは失望を示しているように思われる。
今後も裁判所への提訴が続いていくことになるが、実際、他の方法による解決はないのだろうか。
アップル、アプリ内課金をめぐる訴訟に関する和解内容の詳細を通知(6月25日)Appleは現在株価低迷の問題に直面している。2012年に700ドルを超える値を付けてから、現在は400ドル台前半まで落ち込んだ。業績は素晴らしいものがあるが低い株価は株主の利益に反する。そこで、CEOであるTim Cook氏の報酬に関するポリシーで、Appleの株価を毎年付与する株式数に反映させるという内容を盛り込んでいる。
S&P 500インデックスに入っている他社と比較し、Appleが上位1/3に入っていれば、付与される株式数は満額、中位3分の1の場合は4分の1削減、下位3分の1の場合は半分削減、というものだ。Cook氏は2021年8月まで毎年8万株ずつ付与されることになっているが、この80万株をいかに減らさず受け取るか、というインセンティブがつくことになる。
アップル、CEOの株式報酬ポリシーを変更--株価により減少の可能性も(6月24日)※映画の公開は当初4月に予定されていたが、現時点では米国時間8月16日となっている。
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