【レビュー】ソニー電子書籍端末「Reader」ファーストインプレッション - (page 2)

操作しやすいタッチパネルでスムーズな読書

  • 文字サイズの変更は、右下の虫眼鏡のボタンを押す。ページの表示方法もここで変更できる

 Readerのスクリーンは、2サイズともタッチパネルを採用しており、下部のボタンのほかに、タッチペンまたは指を使って操作できる。

 本の表紙をタップすると、本が開く。ページをめくるのは、画面を軽くなぞるだけでいいので、実際に文庫本を読んでいるのに近い感覚だ。ただ、ページ送りの時に、一旦反転するため、一瞬待つような印象を受ける。タッチのタイミングに慣れるまで少し戸惑うかもしれない。ただし、これはKindleも同じだ。現在の電子ペーパーの特性であるから仕方ない。しかし、太陽の明るい光の下での見やすさは、iPadなどで採用されている液晶ディスプレイよりも、Readerのような電子ペーパーのスクリーンのほうが優れている。

  • Touch Editionのタッチペンを取り出したところ

 文字のサイズは、XS〜XXLまで6段階で調節可能。ただし、PDFなど、あらかじめ文字サイズが決まっているものは変更できない。

 スクリーンに表示されているメニューの操作は、すべて指とタッチペンの両方が使用できる。タッチペンが用意されているのは、これからの寒い季節、手袋をしている時に特に便利だ。タッチペンは、5型と6型いずれも、スクリーンの右枠の上部に差し込まれている。

本に直接メモが書き込める

  • 本に直接書き込みをしたところ。鉛筆などで書き込むようにスラスラとはいかないが画期的な機能だ

 タッチペンの用途は、メニューをタッチするだけではない。タッチペンがあれば、電子書籍を読んでいるときに、一番のネックになる「直接本に書き込めない」という不満を解消できる。

  • 内蔵コンテンツの検索結果。もちろん、日本語で検索可能

 Readerでは、タッチペンによる手書きのノートと、ソフトウェアキーボードから入力するテキストのノートを作成できる。ソフトウェアキーボードは、本やノートの中身の検索時にも使用できる。

「Reader Store」で電子書籍を購入可能に

 あらかじめ入っているコンテンツは、辞書と10冊のお試し版(第一章分相当)の書籍に限られている。楽しむには、自分でコンテンツをReaderに入れる必要がある。日本語のコンテンツはまだまだ少ないのが現状だが、これを解決すべくソニーでは、同社が運営する電子書籍専用ストア「Reader Store」を12月にオープンする。

 Readerには、このReader Storeで購入したコンテンツに加え、PDFやePub形式のファイル、写真など、多彩なファイル形式のコンテンツを入れられる。また、Touch Editionでは、音楽も再生可能だ。文庫本なら約1400冊分の容量を持ち歩ける。

コンテンツの追加はPC経由

 Readerへのコンテンツの追加は、PCとReaderをUSBで接続して転送する。専用のアプリケーションが付属しており、ReaderをPCに接続すると表示される「SETTING」フォルダから、「Setup eBook Transfer.exe」を実行し、「eBook Transfer for Reader」をインストールし、コンテンツをReaderに追加するのに必要なソフトウェアをインストールする。

  • 画面の指示に従って、eBook Transfer for ReaderをPCにインストールする

  • eBook Transfer for Readerの画面。Reader Storeでのコンテンツの購入と、Reader内のコンテンツの管理を行う

 現在のところ、eBook Transfer for ReaderはWindows版のみの提供となる。Reader Storeでのコンテンツの購入にも、eBook Transfer for Readerを利用する。Readerには、KindleのようなWi-Fiなどの通信機能は備わっていないため、コンテンツは常に手動で追加する必要がある。Touch Editionの場合は、本体メモリほか、SDカードまたはメモリースティックPROデュオ経由でも利用できる。また、PC上でプレビューできる機能は現在ないため、必ずReaderに転送して閲覧する必要がある。

  • 写真の表示画面。もちろんモノクロで表示される

  • 音楽の再生画面。音はReader下部のヘッドホン端子にヘッドホンをさすと聞こえる

  • 青空キンドルを利用してPDF化した青空文庫

洋書はKindle、日本の書籍はReaderか?

 基本的に、モノクロの電子ペーパー端末のバッテリは、カラー液晶を搭載した携帯電話などに比べて長持ちだ。1日に1時間超の読書のみで、約2週間もつという計算だ。

 電池がゼロの状態からの充電時間は、USB接続で3時間、別売りのACアダプタを使用すれば2時間という。1週間に1回程度コンテンツを入れ替えるためにPCに接続するならば、ほとんど充電を気にしなくてもよいだろう。

 読書の途中で放って置いても、しばらくするとスクリーンセーバが表示されてスリープモードになる。スリープモードを解除するには、Reader上部の電源スイッチをスライドさせる。本体の電源を完全に切る(シャットダウンする)場合は、設定メニューから行える。

 さて、本体の機能は魅力的だが、やはりコンテンツの充実度が気になるところだ。Readerの電子書籍の販売サイト「Reader Store」は2万タイトルを用意するとしているが、執筆時点では詳細は分からない。

 現在Kindleを所有しているが、物理的に重い本を持ち歩かずに済むのは非常に便利だ。Kindleは主にラインアップが充実している洋書を楽しみ、Reader Storeの充実度によって、日本の電子書籍リーダとしてReaderを持つことを検討してみたい。

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