電子インクの画面は、Kindleにとって強みにも弱みにもなっている。よい点として、Kindleのディスプレイは本当に読みやすい。旧型のKindleやNookと横に並べて比べると、文字の色はやや濃く、若干浮き上がって見える(AmazonはBarnes & Nobleと同じように、文字がはっきり見えるようフォントを最適化している)。大きな違いではないが、違いは分かる。ページ送りもかなり速くなっている。Nookと比較すると、Kindleのページ送りにかかる時間は約半分だ(ただし依然として、一瞬写真のネガのように画面が反転して見える、やや不快な現象は残っている)。
電子インクディスプレイの別の利点は、バックライトがないということだ。これは目の負担を減らすだけでなく、直射日光下を含む明るい環境では、より見やすいという効果もある。それに比べiPadの場合、直射日光下では液晶が見にくく、スクリーンを覆うガラスが光を反射してグレアの問題を引き起こすため、戸外では読みにくい。
Kindleのスクリーンは縦向きから横向きモードに切り替えることができるが、これは一部のPDFやウェブサイトを見ようとする場合に特に便利だ(ただし、そのためにはメニューから手動で指定する必要がある)。これに対し、Kindle DXやiPadでは、組み込まれている加速度計のおかげで、自動的に縦横が変更される。
ただし夜は、Kindleを使うには光源が必要となる。Amazonが引き出し式のLEDライトが付いた、素晴らしいデザインのオプション保護ケース(本体には同梱されていない)を作った理由の一部はここにある。このスリムなライトは、Kindle本体から電源が供給されており、ケースの中にしまい込むことができる(一目見ただけでは、ライトが付いていることさえ分からないようになっている)。このケースの唯一の欠点は59ドル99セントと高価なことだが、われわれはこれを気に入ったと言わざるを得ない。
Amazonは34ドル95セントの保護ケースも販売しており、他にも数多くの企業が、Kindle用の質のよいカバーやライトを作っている。Kindleを裸で持ち歩くのはあまりよい考えではないので、購入する際にはケースの値段も計算に入れておいた方がいい。iPhoneと同様に、Kindleはある程度の高さから固い地面(コンクリートの歩道など)に落とすと、深刻なダメージを受ける場合が多い。
Kindleを小型化するにあたり、Amazonはボタンのデザインを一部大きく変更した。その多くはよい変更だ。例えば、デバイスの両側にある新しいページ送りボタンは、より小さくなり、ボタンを離してもクリック音は目立たない(ベッドの隣で誰かが眠ろうとしている環境で読書するには、重要なことだ)。
Amazonはまた、ジョイスティックに似た形だったメイン操作ボタンも修正し、小さなスペースに押し込められたキーボードに統合して、コンピュータのキーボードで言えばエンターキーの位置に置いた。これは大いに意味のあることだし、新しい4方向操作ボタンは結構なのだが、戻るボタンとメニューボタンが操作ボタンの上下部分にやや近すぎるところは問題だ。その結果、時々誤って戻るボタンやメニューボタンを押してしまうことがあり、指が太い人は操作ボタンを使う際に、十分注意する必要があるだろう。また、古いスティック式のボタンの方が好きだという人もいるだろうと思われる。
ボタンの変更を除けば、全般的なKindleの使い心地は、あまり変わらない。もちろん、今ではボード上に無線LANが組み込まれており、AT&Tの携帯電話の電波が届かないところでもアクセスすることが可能だ。無線LAN接続は、新しい「実験的な」WebKitブラウザを使ってKindle StoreやWebを閲覧する際にも、高速な通信を提供してくれる。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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