編集部注:今回のKindleレビューは前編、後編に分けて詳しくレビューしていく。本稿はその前編である。
Amazonは8月下旬に同社の電子書籍リーダー「Kindle」の最新版を発売した。ますます競争が激しくなる電子書籍リーダー市場でトップを走るKindleは、どのように進化したのだろうか。前編では、改良点の概要を説明していく。
長所:これまでのKindleよりも、スリムでコンパクトなデザイン。コントラスト比が高くなった改良された画面と、より高速なページ送り。PDFのサポート。Amazonの使い慣れたオンラインストアから入手できる大量の電子書籍、新聞、雑誌、ブログ。組み込みの無料3G無線ネットワークサービス「Whispernet」によるデータネットワークと無線LAN。メモ入力用の組み込みキーボード。3500冊の電子書籍を保存できる、4Gバイトの本体内メモリ(利用可能なのは3.3Gバイト)。8つのフォントが利用可能、これには2つの新しい特大サイズのものを含む。長いバッテリー寿命。画像ファイルを表示でき、MP3およびAAC音楽ファイルを再生できる。
短所:メモリを追加するための拡張スロットがない。EPUB形式の電子書籍ファイルがサポートされていない。Nookのような書籍の貸し出し機能がない。持ち運び用の保護ケースが付属しない。バッテリーがデバイス内に封印されており、取り外しできない。
結論:注目に値するアップブレード(改良型スクリーン、バッテリー寿命の延長、軽量化、値下げ)が施された第3世代Kindleは、電子書籍リーダーの分野の頂点に立つものになっている。
レビュー:AppleのiPodが最初のMP3プレーヤーではなかったように、電子書籍リーダーを初めて売り出したのはAmazonではなかった。NuvoMediaのRocketBookと初期のSony Readerは、どちらも市場でKindleを打ち負かしていた。しかし、AmazonのKindleが電子書籍リーダー市場のiPodではないと言うのは難しい。Kindleは、電子書籍リーダーがわずか3年で物珍しいガジェットから、急成長するマス市場向けデバイスになるのを大いに助けた。そして今度は、ずっと競争の激しくなったこの市場で、Amazonは第3世代のKindleを発売した。
「Kindle 3」について最初に知っておくべきなのは、これは革命的というよりは、漸進的なものだということだ。さらに重要なのは、Amazonはこの6インチの電子書籍リーダーをより小さく、軽くし、スクリーンを改良したということだ。Kindleはまた、ライバルであるBarnes & NobleのNookが持つ重要な機能である、無線LAN機能を取り込んだ。
実際、このKindleには、無線LANと3G無線通信の両方を備える189ドルのものと、無線LANのみの139ドルのものという2つのバージョンがあり、どちらもNookの同様のバージョンよりも10ドル安くなっている。どちらのバージョンにも黒と白があり、デザインがコンパクトになったのに加え、メモリが増強され(2Gバイトから4Gバイトに強化)とバッテリー寿命が2倍(無線を無効にしている状態で、利用時間がこれまでの2週間から4週間になった)になっている。
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