パナソニックは1月25日、ハイエンドミラーレス一眼カメラ「DC-GH5」を国内でも3月23日に発売すると発表した。価格はオープンだが、想定価格はいずれも税別で、DC-GH5が24万円前後。「LUMIX G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6」をセットにした「DC-GH5M」が27万円前後。
GH5は、2016年9月にドイツの国際カメラ見本市「フォトキナ2016」で開発発表されたカメラで、2017年1月に米国で行われた国際家電ショー「CES 2017」で正式発表した。同社におけるミラーレスカメラのフラッグシップモデルだ。
コンセプトは「ハイエンド・ハイブリッドミラーレス一眼」としており、4K解像度の画像を秒間60コマで撮影する「4Kフォト」に加え、6K解像度(約1800万画素)を秒間30コマで撮影する「6Kフォト」を新たに採用した。写真家、映像作家の垣根を超えたクリエーターに最適なカメラとしている。
イメージセンサには、新開発の2030万画素「Digital Live MOSセンサー」を採用したほか、画像処理エンジンに第10世代目となる「ヴィーナスエンジン」を搭載。センサはローパスレス仕様で、読み出し性能を前モデルの「DMC-GH4」と比較して約1.7倍に高速化。動画撮影時の高速パンなどで像が歪む「ローリングシャッター現象」を大幅に低減している。
ボディはマグネシウム合金を採用しており、シャッター耐久回数は20万回。防塵・防滴シーリング設計を施しており、マイナス10度での耐低温動作もカバーする。GHシリーズ初となるボディ内5軸手ぶれ補正ユニットを搭載。レンズに搭載された手ぶれ補正ユニットと協調動作する「Dual I.S 2」に対応しており、シャッタースピード5段分の補正を実現している。
ファインダーは、約0.76倍の368万ドット有機ELパネルを搭載。液晶パネルには、バリアングル機構を採用した122万ドットのタッチ液晶を搭載。RGBWのドット構成で屋外の視認性を向上している。AFはパナソニック独自の「空間認識AF」を強化。フォーカス合焦速度を0.05秒までに短縮し、AF追従連写も秒間9コマに引き上げている。
GH5の一番の売りは、他社の追随を許さない圧倒的な動画性能にある。歴代のGHシリーズはプロフェッショナルユーザーからの支持が多い。GH5では、4K/60fpsの撮影をサポート。コンシューマー機では、キヤノンの「EOS-1D X Mark II」しか対応しておらず、ミラーレス一眼カメラにおいては世界初となる。また、イメージセンサの廃熱設計を最適化することで、手ぶれ補正ユニットを内蔵しつつも無制限での動画撮影を実現している。
4K/30fpsにおける動画撮影では、ボディ内で4:2:2 10bitの記録を実現。4K/60fps撮影時は4:2:0 8bitに制限されるものの、HDMI出力は4:2:2 10bitをキープ。外部レコーダで高画質映像を記録できる。ハイフレームレートでの撮影も可能で、フルHD時で最大180fpsでの撮影が可能。スローモーション撮影で威力を発揮する。
2017年夏にはファームウェアアップデートを予定しており、4:2:2 10bitの400Mbps ALL-Intra記録に対応するほか、高解像アナモフィックモード、4K HDR動画撮影に対応する。
無線通信は、Bluetooth 4.2を搭載。ペアリングの簡易化を実現し、スマートフォンと常時接続が可能。IEEE 802.11acをサポートし、撮影した写真や動画の転送、リモートコントロールなどを高速に実施できる。
また、縦位置撮影や長時間録画を可能にするバッテリグリップ「DMW-BGGH5」(想定税別価格:3万5000円前後)や、XLRマイクロホンアダプタ「DMW-XLR1」(同:4万円前後)をラインアップ。また、新レンズとして、「LEICA DG VARIO-ELMARIT F2.8-4.0ズームレンズシリーズ」3機種を発表。「12-60mm」は2月発売、「8-18mm」と「50-200mm」は2017年以降発売としている。
パナソニックでは、2020年の東京オリンピックに向けて、LUMIXシリーズでの8Kサポートを目指している。解像度では約3300万画素に相当し、静止画・動画の垣根を超える8K時代にふさわしい新しいミラーレス一眼を創造するとしている。
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