映像の松下が創る21世紀のカメラ――パナソニック「DMC-FZ7」 - (page 4)

パナソニック
DMC-FZ7
内容:12倍光学ズームを誇るパナソニックのデジカメLUMIX「FZシリーズ」に新機種「DMC-FZ7」が追加された。600万画素CCDを搭載、ISO感度の高感度化にも対応したモデルである。常に進化を続ける「FZシリーズ」が目指すカメラの形とは何か。最新形態である「DMC-FZ7」で撮影することによりその意思を探ってみた。

映像の世紀が産んだ、未来カメラの卵

 LUMIX「DMC-FZ7」。このカメラは5倍にもなる高倍率ズームの高性能LEICAレンズと光学式手ブレ補正機能を搭載し、ISO感度1600での高感度撮影までも可能だ。カメラとしての反応速度も速くレリーズタイムラグもとても少なく非常に優れたカメラである。これだけの機能性能がこのコンパクトなボディに積込まれているのは驚くべきことだ。だがその一方、本来の目的である「写真」としての画像の質感とはどこか異質なものを感じずにはいられない。むしろビデオの質感に近いような印象を受けてしまうのだ。それはビデオ映像の分野において世界的なシェアと技術を持つパナソニックの方向性なのであろうか。確かに写真がアナログからデジタルへと移行されるなか、カメラと写真の関係にも変化が進んできている。だが写真本来の持つ質感や存在感は後世にも伝えるべき文化だと私は思っている。

 

 先日、米国にて行われた「PMA2006」において、パナソニックとオリンパス共同開発の一眼レフデジカメが発表された。予てから噂のあったLUMIXブランドのフォーサース対応一眼レフだ。実際の発売はまだ先になりそうだが、この発表によりパナソニックのカメラメーカーへの本格的な参入の意思は固いものだということが伝わってきた。今回レビューした「DMC-FZ7」においてもその技術とコンセプトは確実に明日を見据えているものだ。ここに「写真」の質感と文化を表現する「想い」を融合することができれば、今までにはない新しいカメラの誕生となるかもしれない。もしかすると、今、われわれは未来のカメラの原型を見ているのかもしれない。

   

LUMIX「DMC-FZ7」の物欲度☆☆☆☆


礒村 浩一 (Isopy)

 1967年福岡県生まれ、千葉県君津市育ち。小学生のときに自分専用のカメラを手にしてから写真の世界に魅せられる。東京写真専門学校(現、東京ビジュアルアーツ)卒業後、広告写真プロダクションにて撮影の基礎を学ぶ。現在はフリーカメラマンとして人物、商品、雑誌、舞台撮影など活動範囲は多岐に渡る。デジカメ専門誌においては撮影と記事を担当。
 ZDNetにおいてもデジカメ新機種のレビューを担当する。さまざまな経験から導かれた撮影心情は、すべての被写体に愛情をもって接すること。どうやら、子どもと動物には好かれるらしい。

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