Edyと昼食とキャンパスの課題

 SFCは春休みに入っている。学生は海外旅行やサークルの合宿へ出かけたり、卒業を控えた学生は最後の休みを満喫している。例えば海外へ行っている友人からは、普段の電子メールではなくソーシャルネットワーキングサービス上からメールが届いたりしている。メッセンジャーのコンタクトリストではオンラインの人は半分くらいに減っているし、普段ほぼ必ずオンラインという人すらサインインしていなかったりする。普段とは違うコミュニケーションの取り方をしてくるのも休暇中ならではかもしれない。

 そして先週も紹介したとおり、キャンパスでは新学期へ向けてのさまざまな準備が進められている。食生活の改善もまたその1つだ。有線LANや無線LAN、電源コンセントといったコンピュータ向けのインフラや、学生が利用可能なコンピュータなどの"デジタルサプリ"は充実しているが、食生活環境が必ずしも充実しているとは言い難く、キャンパス内に「食生活改善プロジェクト」が存在していることもまた象徴的なのではないだろうか。

 例えばSFCの昼食事情。これは時間との戦いだ。以前の記事でも紹介したとおり、最も長い休み時間でも20分しかない。そのため食堂でゆっくりと昼食を取るというわけにはいかない。学生はキャンパスの売店である生協で昼食を買い、授業中に食べることになる。基本的に授業中の飲食は認められている。中には「けしからん」と怒る先生もいないことはないが、おにぎりやサンドイッチをかじりながら学生が授業を聴いているという風景は日常的なものだ。

 授業中に食べてよいのなら時間との戦いはないようにも思えるが、生協での買い物がまた難儀する。キャンパスにいる学生が一挙に昼休みに生協へ押しかけるため、ピーク時の店内は移動もままならないほどに混雑し、レジにも長蛇の列ができる。もしも好みのものをじっくり選びつつ昼休み明けの授業に遅刻しないようにしたければ、前の授業が少し早めに終わって真っ先に生協に駆けつけるか、次の休み時間まで持ち越すかのどちらかだ。

 そんな状況を改善しようと生協以外にもテイクアウトの昼食を買える店を誘致することが決まったが、レジの長蛇の列を改善しようという動きも出始めている。以前の記事でも紹介したキャンパスニュースサイトSFC CLIP村井純教授へ取材した記事によると、生協や食堂やラウンジなどのSFC内の店舗のレジにEdyの導入を検討しているそうだ。Edyの、タッチするだけで終わる決済によるスピードアップがレジの混雑解消に役立つのでは、とSFC CLIPは指摘している。

 EdyはFeliCaを利用した電子マネーで、レジやチャージ専用マシンなどでチャージして支払いに利用することができる。カード型のものが多く発行されているが、NTTドコモが発売している、FeliCaを内蔵したいわゆる「おサイフケータイ」でもEdyを使うことが可能だ。僕も2004年12月におサイフケータイに機種変更してまず2000円チャージして使ってみた。使ってみて僕が感激したのは、駐車場のEdy対応精算機での駐車料金支払いだった。

 自動販売機や駐車場の精算機では新札に対応していない機械があったり高額紙幣を受け付けない機械があったりする。使えない紙幣を持っているときは両替をしなければならなかった。もしコインがたくさんあってもクルマの窓から乗り出すようにしてコインを入れるのは一苦労だ。それに比べるとタッチするだけで支払いが終わってゲートが開くEdy対応精算機のスピードと快適さは目を見張るものがあった。

 これを快適だと思う感覚をひもといてみると、タッチしてすぐにゲートが開くという点ではスキーのIC式リフト券システムやJR東日本のSuica(Edyと同じFeliCaが使われている)対応の改札機と同じだ。また、クルマのハンドルを握っているというシチュエーションで煩わしさがなくなったという点では、高速道路のETCにも似ていた。生協のレジでできる行列も、Edyを導入すれば改善されるのだろうか。あるいは、まずは高速道路のETCレーンのようにEdy専用レジを設けてEdyユーザーが素早く買い物を済ませるようにするのだろうか。

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