しばらく前に紹介した「DiggView」というウェブページをご記憶だろうか。これをつくったオランダのStillpoint Mediaといいうチームが、このところ「Original Signal」というサイトを通じて興味深い動きを始めている。
先月に8月後半にまず「Web 2.0」が立ち上がった時には、DiggViewの単なる派生かと思わせるものだったが、その後「Gadgets」が公開されると、何となく狙いを垣間見せたようだった。そしてこの週末。ふと気づいてみれば、一気に4つのページ--「Buzz」「Jobs」「Digg」「Tech」が新たに加わって、にわかに新しいタイプの「メディア」の様相を呈してきたように思える。
TechCrunchやGigaOMといったブログネットワークが、ブログの簡便さと低コスト構造を武器に、Web 2.0関連やガジェット、求人などのブログをそれぞれ立ち上げている、という話題には前に触れた。が、低コスト構造ということでは、これらのSingle Page Aggregator(SPAs)のほうが明らかに有利だろう(なにせ、ブログのエントリを書く手間さえかからないのだから)。つまり、(CNETを含む)従来のニュースサイト対Googleに似た関係が、各人気ブログ(ネットワーク)とOriginal Signalとの間に生じることになる。フロントエンドをめぐる2重の対立である。
また、Original SignalやPopurlsのようなSPAsは、NetvibesやPageflake、Windows Live!といったAjaxを用いたウェブフィードリーダー/デスクトップとも一部で衝突することになろう。
無論、このような見出しを集めただけのページがメディアとして成立し、収益を上げられるようになるかどうかは、現時点ではわからない(ただし、PopurlsにすでにFederated Media publshingの広告バナーが張られ、いわゆる媒体案内も用意されている)。そして、こうした形で、膨大な数の情報を簡単に把握できるという点にメリットを感じるユーザーも一部に確かにいるのではないか。
Original Signalの各ページの下端には、「All credits go to the authors of these weblogs. Without their hard work Original Signal would not exist.」という一文が含まれており、各ブログへの敬意が示されている。こうしたSPAsを経由して各ブログへのトラフィック流入が増えれば、彼らの望む(?)はずの共存共栄が可能になるだろう。ただし、「アテンション・エコノミー」といわれる流れのなかで、ユーザーがまずアクセスする「フロントエンド(もしくはスタートページ)」を押さえることの重要性を考えると、そうすんなりと理想的な状況が生まれるとも感じられないのだが・・・。
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