先ごろシリコンバレーで開かれたTechCrunch/Augustus Capitalのオフラインイベントについて、英語圏の複数のメディアが報じている。
このパーティの模様を撮した写真がflickrやZooomrといった画像共有サイトで公開されているが、これをみると実にさまざまな顔ぶれが揃っていることがうかがわれる(本家CNET/ZDNetの「長老」であるDan Farberもしっかりと参加しており、艶女に囲まれてご満悦のようだ)。
さて。このパーティの主役は、なんといってもTechCrunchの運営者Michael Arrington(リンク先の画像のなかでは、元「Mr. MSブロガー」のRobert Scobleとともにカメラのフレームに収まっている−左側がScobleで右側の背の高いほうがArrington)。そのArringtonがブックマーク共有サービスBlue Dotにクリップしているなかに、興味深いものを見つけたのでちょっと紹介したい(なお、これらのブックマークはBlue Dotのユーザーなら誰でもみられる「Everyone」に設定されている)。
ひとつめは、「Blogging for Dollars」と題された雑誌「Business 2.0」(2006年9月号)の記事。Time Warnerの後ろ盾がある「Business 2.0」の取材はさすがによく行き届いている印象で、このなかにはいくつもの興味深い数字が含まれている。その一部を書き出してみよう。
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TechCrunchサイトはページ右肩にある広告枠を1カ月あたり6万ドルで販売し、広告枠は売り切れ状態(なお、この金額は今年初めに比べて約10倍に跳ね上がったという)。そして、AppleやHP、Intelといった大手企業も広告契約を結んでいるとのこと。
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この記事によると、TechCrunchにはこれらの企業にとってほぼ理想的な読者がついているという。具体的には、一ヶ月に延べで150万人に上る読者のうち、36%が週に40時間以上オンラインにアクセスしており、一日に何度もTechCrunchをチェックしている。また3分1以上の読者が年収10万ドルを超えており、25万ドル以上の読者も12%に上るという。なお、後で触れる「When Does a Blog Become a Magazine?」というブログエントリーのなかには、「TechCrunchのRSSフィードを登録しているユーザーが約8万5000人に上る」という記述もある。
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広告主側からすると、ブログの魅力はPVの多さやクリックレートの高さよりも、むしろ特定のオーディエンスにリーチできる確率が高いことで、この記事のなかでは、Publicis & Hal Rineyというサンフランシスコの広告代理店のCEO、Karen Francisのコメント--「ブログの読者はとても絞り込まれている。だから投資対効果も非常に優れていると考えられる("Blogs are very targeted, so one would project that ROI is very good")」が引用されている。ただし、この一文に続いて、「まだブログ関連ビジネスは始まったばかりで、今日広告費が取れるものでも、明日には取れなくなるかもしれない("But it's still early. What may get ad dollars today may not get them tomorrow.")」という発言もある。
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TechCrunchをオペレーションしているのはArringtonをふくめほぼ3〜4人のブロガー。そのため経費は売上の12%程度だという。また、広告の営業はFederated Media Publishing(FM)というエージェントにアウトソースしている(出典を示せなくて申し訳ないが、ArringtonはこのFMに売上の30〜40%を支払っており、「もっと下げられないかと考えている」という記述をどこかで目にした記憶がある。なお、このFMについては後でもう一度記す。