「Office Beta Test Drive」にみるマイクロソフトの本気さ加減

坂和敏(編集部)2006年07月12日 22時41分

 一昨日に「YouOS」というウェブOS(もしくはウェブデスクトップ)について紹介しましたが、今日はYouOSともどこかで競合しそうなMicrosoftのオンラインスイート「Microsoft Office Beta Test Drive」を試してみたので、これについて少し記します。

 6月末のニュース(「マイクロソフト、ブラウザベースのOffice 2007第2ベータ版を公開」)でお伝えしていた通り、この「Office 2007第2ベータ」のオンラインテスト版は、「ユーザーがいっそう容易にOffice 2007の機能を体験できる」ようにすることを狙ったもの。フラッグシップ製品の待望の次期バージョンをデモする目的でつくられているだけあって、さすがによくできています。

 このプレビューサイトでは、以下のアプリケーションが利用できます。なお、利用にあたっては、Windows OS(98、2000、XPのいずれか)とInternet Explorer 5.5以降のバージョンが前提となります。

  • Office Access 2007
  • Office Excel 2007
  • Office InfoPath 2007
  • Office OneNote 2007
  • Office Outlook 2007
  • Office Outlook 2007 with Business Contact Manager
  • Office Outlook 2007 Web Access
  • Office PowerPoint 2007
  • Office Project 2007
  • Office Publisher 2007
  • Office Visio 2007
  • Office Word 2007
  • Office SharePoint Designer 2007

 試してみてまず驚いたのは、これだけのものがすでにオンライン上で再現されている、という事実。それに加えて、アプリケーションの起動の素早さもちょっと特筆ものと思えました(すべてがサーバ上で稼働していることのメリットが如実に感じられますが、ただしもちろん作業負荷が高くなると、さすがに動作が重くなる場合もあります)。また、セキュリティ面や管理のしやすさ、書類の共有などを考えれば、サーバーベースのアプリケーションに軍配が上がることはほぼ間違いのないところかもしれません。

 これだけのものがオンラインで再現されてしまうと、「もうローカルでソフトウェアを動かす必要などない場合も多いのでは?」とも思えてしまいます。そうなると、大企業ユーザー、中小企業ユーザー、そして個人ユーザーなどさまざまな対象に合わせて、企業内シンクライアントシステム、サブスクリプション型のホステドサービス、広告付き無料サービス、さらに従来のパッケージ版と、さまざまな形式での提供の可能性が考えられますが、なにせドル箱のOfficeのこと。提供方法の最適解を見つけ出すまでに、Microsoft自身も相当頭を悩ませることになるのではないでしょうか。

060712_testdrive.gif Microsoft Office Beta Test DriveはCitrixのブラウザプラグインを利用する。ブラウザ上でWordやExcelなどを同時に起動させることが可能だ。ただし現在、日本語入力には対応していない。

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