ソーシャルネットワーキングは今、大きな分岐点にある。一方の道の行く先は、さらなる機能の追加であり、ユーザーは閉鎖された空間を出る必要はほとんどなくなる。ほとんどのサイトがこの黄色いレンガ道を進んでいる。言うまでもなく、手に入る褒美は大きい。しかし、最後はカンザスに戻ってくることになるかもしれない。もう一方の道を進むと、交友関係(ソーシャルグラフ)の主な保存場所になる未来に行き着く。このデータは、オープンなAPIを通じて、誰でも入手できる。これはユーティリティタイプのモデルであり、他のユーティリティと同様、大きな金銭的価値を持つ可能性がある。
どちらの道に行くかは、重要な決断だ。選択をしくじれば、徐々にゆっくりと下りながら、最後には失敗する可能性が高い。
第1の道の問題は、ソーシャルメディアが誕生したときからの収益モデルに依存しているということだ。ソーシャルメディアに適した収益モデルは何だろうか。想定されるのは広告だが、CPMは従来のマスメディアから来ており、CPCは検索に適している。ソーシャルメディア独自の広告モデルはどこにあるのだろうか。今のところ、間に合わせのため、CPMとCPCを無理やりソーシャルメディアに適応させている状況だ。
ソーシャルメディアには広告モデルはないという議論もある。電話には広告モデルはないが、結局のところ、電話も、ソーシャルメディアと同様、双方向のコミュニケーション媒体だ。悪いことに、Googleが電子メールを検索と同じCPCの収入源にするまで、ソーシャルメディアの最初の形である電子メールにも有効な広告モデルはなかった。
ソーシャルメディアの資金が広告から得られない場合、サブスクリプションやトランザクションから資金を得る必要があるが、どちらも容易ではない。
ソーシャルメディアは根本的に違っている。ソーシャルメディアは少数対少数であり、電話のように一対一でもなければ、従来のメディアのように一対多でもない。また、広告主にとっても根本的な問題が存在する。ソーシャルメディアのユーザーは、広告に結びつけられるようなコンテンツを探しているのではなく、互いのコミュニケーションを求めている。このような状況では、広告はわずらわしい邪魔者だ。かといって、広告を目立たなくすれば、広告主にとって意味がなくなる。
生来の広告モデルがないことが、ソーシャルネットワーキングで大きな収益を上げられない原因になっている。現状で見られるのは、CPM、CPCの低さだ。ユーザー規模が大きく、ユーザー獲得コストが低いため、全体的な数字は良いように見える。しかし、いずれ、ソーシャルメディアは、クールなテクノロジ/有望なビジネスチャンスの段階から、まったく新しいビジネスタイプに移行しなければならない。
それでは、ソーシャルメディアの生来の収益モデルになりそうな試みをいくつか見てみよう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」