「ショートカット」と大くくりに理解されている新しいセマンティックアプリケーションが登場している。このカテゴリーの例には、SnapのSnapShotsやAdaptiveBlueのBlueOrganizerとSmartLinks、Yahoo!のShortcuts、Lingospotのインテキスト検索などがある。これらの技術に共通するのは、コンテンツの単純なセマンティクスを利用して、追加の情報を提供するということだ。SnapとAdaptiveBlueの場合、セマンティクスはURLで定義され、Yahoo!とLingospotではテキスト解析が行われる。
採用しているメソッドに関係なく、どの技術もAjaxのポップアップを使って関係する情報を提供する。つまり、セマンティクスを利用してウェブから情報を引き出しているのだ。基本的には、こうした処理は発見あるいは逆検索と呼ばれる。本を探しているときには短い説明と書影が表示され、証券コードがあれば株価チャートと分析、その企業への追加リンクが表示され、音楽アルバムを見ているときには再生ボタンがあり、映画があればその場で予告編を見ることができる。ショートカットは検索の必要性を取り除き、ウェブ上の関係するコンテンツをそのページのその場所に埋め込む。
現在のショートカット技術は単純でまだ初期段階にあるが、セマンティックアプリケーションの中でも最も成功している例だろう。しかし、いくつかの理由からこれをキラーアプリケーションと呼ぶことはできない。
第1に、多くの人がこれらを広告だと考えているが、それはポイントがずれている。Snapは確かに当初広告に力を入れていたが、これはこれらの技術の将来像を代表しているとは言えない。第2に、現在の実装では、これらの技術はユーティリティに過ぎない。なぜか、人物に関する知識管理には感情移入する人がいるが、ショートカットに感情移入する人はいないだろう。また、ショートカットは当たり前のものだと見られるようになってしまうだろう。
それでも、ショートカットが最も有望なものだ。もう何回か繰り返せば、これらの技術はもっと巧妙に、そして正確になるだろう。これらはコンテンツとマイクロコンテンツを利用して、検索の量を減らすようになる。また、ショートカットはユーザーの振る舞いに基づいて、個人化されるようになるだろう。そして、それが起これば大きなものになるだろう(情報開示:Alex IskoldはAdaptiveBlueの創立者であり、最高経営責任者(CEO)である)。
われわれは依然として、人づてに広がり、セマンティック技術をマーケティング用語に変えるセマンティックウェブのキラーアプリケーションを待ち望んでいる。自然言語の理解のような問題は解決が難しく、まだ解決の兆しは見えない。セマンティック検索エンジンも、これまでに見たものの範囲では、Googleに大幅に差をつけているわけではない。初期段階のセマンティック知識データベースが台頭しつつあり、これらはもっと面白く、よいものになるだろうと期待されるが、それ自体はキラーアプリケーションではなく、キラーアプリケーションへの踏み石となりそうだ。
その一方で、ショートカット技術が台頭してきている。これらはURLや単純なコンテンツ分析などのコンテンツの基本的なセマンティクスを利用し、関係する情報やリンク、メディアをページの中で提供するものだ。これらはまだ初期段階のものだが、これらの技術は単純で便利なものであり、最も有望だ。これらの技術の次世代では、個人化技術と組み合わせられて検索の代わりとなる、文脈を利用した発見の機能を提供するようになるだろう。これについては、今後の記事で詳細に議論する。
読者はセマンティックウェブのキラーアプリケーションはどんなものになると思うだろうか。どの技術が最も有望だと考えているだろうか。
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