文:Alex Iskold
翻訳校正:吉井美有
2007/09/18 08:00
先週紹介した消化局面の一部をなすものとして、技術動向を評価することがある。明らかに勝者といえる例をいくつか挙げれば、オンライン動画とオンライン写真サイトは伸び始め、分野別検索エンジンは大きな進歩を遂げており、MySpaceとFacebookは新しい社会現象になっている、といった具合だ。しかし、新たに生み出されたものがすべてうまくいっているわけではない。
ニューヨーク市のタクシーで、John FurierのDEMO 2006の番組を聞いて、まさにこれが刺激というものだと思ったのを思い出す。後になって、自分の会社が自分の製品をDEMOFallで発表した際に、Johnからインタビューを受けたときの刺激は、それを上回るものだった。このため、数日前にJohnがPodTechを離れたというニュースを見たとき、わたしはとりわけ悲しく思った。確かに物事は複雑で、同社は苦境に陥っているが、わたしが動揺している理由は、Johnがポッドキャスティングの動きの背後にいる主要人物のひとりだったからだ。
無論、PodTechは単なるポッドキャスティング以上のことをしてきたが、Johnが離れてしまったことは、「ポッドキャスティングに何が起こっているのか」という疑問に繋がる。確かに今では以前ほどポッドキャスティングに関する話題を耳にしなくなった。これは、ポッドキャスティングが文化の一部となり、われわれにとって当たり前のものになったからだろうか。そんなことはありそうもない。ポッドキャスティングは、われわれの生活の一部にはならなかったようだ。この記事では、ポッドキャスティングについて検討し、なぜ大きくなれなかったのか、謎を解き明かしてみよう。
ポッドキャストの元々の考え方は単純だ。音声による放送(ラジオ)を取り上げ、みんなにやってもらい(ユーザー生成)、それをRSSで流して、オンデマンドでコンテンツを消費させるというものだ。番組表があって制約事項があり、どんどん流れていくラジオ番組とはちがって、ポッドキャストは種類が豊富で、ユーザーが好きなときに消費することができる。技術的にも、ちょっとしたマイクとコンピュータ、録音用ソフトウェアがあれば、誰でもポッドキャストを作成できる。現在ではブロードバンドが行き渡っているので、ウェブから大きな音声ファイルをやり取りすることはもはや問題ではなくなった。これらのことから、ポッドキャスティングが2004年に登場した際には、多くの人を感心させ、急速に普及した。
しかし最近では、ポッドキャストに対する熱狂は冷めつつあるように見える。その理由について考えてみる前に、まずは3つの流行の波のグラフを参照し、そこから2つの結論を導き出したい。“podcast”という言葉の流行の波は停滞しているように見える一方で、“podcasting”という言葉は一定の速さで時代遅れになりつつある。ポッドキャスティングはブログ(“blog”)や動画(“video”)よりもはるかに人気が低い(とはいうものの、“video”というキーワードにはオンライン動画以外にも多くのものが含まれる可能性があることには注意する必要がある)。
Read/WriteWebは次世代ウェブの技術に関する話題を中心に扱ったブログ。
Richard MacManus氏が心惹かれた革新的なアプリケーションやサービスのほか、気になる製品のポジショニングや最新のウェブニュース、業界への洞察をつづっている。
独立系ウェブアナリスト兼コンサルタント。シリコンバレーの企業向けにリサーチや分析、製品開発支援を行う。
Web 2.0 Workgroupの共同創設者でもある同氏はCNETの姉妹サイト米ZDNetでも記事を執筆している。
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