Jeffは、Eラーニング2.0ツールは草の根的に広がることが多いという傾向に気づいた。通常の階層的な学問の姿を想定している人にとっては、これは興味深い傾向だろう。Jeffによれば、これらのツールをサポートするユーザーのコミュニティーが存在し、ツールの特徴や機能、操作性などに関する彼らの賛否の評価が、Eラーニング企業の成功を左右するという。
Jeffは、こうしたコラボレーション型のシステムの近未来像として、2007年にWikiとポッドキャストがより教育に特化したシステムに融合し始めるという考えを自身のブログで語っている。
これは仮想学習環境(Virtual Learning Environments:VLE)とも呼ばれており、「Blackboard」「Moodle」「Sakai」などがその例だ(後者2つはオープンソースソフトウェアである)。Blackboardのような大きな商用ソフトウェアは「昔の学校的」であり、学習コミュニティー的な側面にはあまり焦点を当てていない。これらは、企業における伝統的なコンテンツ管理システム(「Vignette」「InterWoven」など)とは違って、高価で魅力がなく、使いにくいと考えられている。また、ほとんどの教師や生徒は欲していない、あるいは必要としない機能も多い。
他方では興味深いソフトウェアがいくつか登場しており、それらの製品をLMS 2.0と呼んでもいいかもしれない。DigicationやNuuvoのほかにも、「Chalksite」と「haiku LMS」というLMSがある。
教師のなかでも技術に詳しくて主流の技術に対応できる人たちは、ブログやWiki、Flickrなどのアカウントを登録して、こうしたアプリケーションを活用している。Elggコミュニティーがその好例で、ほかにも「edublogs.org」や「wikispace.com」なども使われている。このようなツールは使いやすく、素早く口コミで広がる。学校のバックエンドシステムとは統合されないし、成績評価などの学校特有の問題も扱わないが、ブログやWikiは教室では大変役に立つことが分かってきている。
生徒向けにも面白いアプリケーションが出てきている。生徒たちが協働してノートを取る「stu.dicio.us」と呼ばれているアプリケーションがその例だ。ユーザーが新聞やパンフレットなどを作れる「ReadWriteThink Printing Press」も見てみるとよい。企業の場合と同様、教室向けの多くの小さなアプリケーションが生まれてきており、教室に浸透し始めている。
ブログ界には、Eラーニング2.0に関する多くの優れた情報がある。そのなかからいくつか紹介しておこう。
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