YouTubeと「新進クリエーター層」の誕生--変化するオンライン動画ビジネス

文:Kevin Yen(Special to CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年05月20日 07時30分

 今から5年前、オンライン動画がまだ始まったばかりのころ、多くの人々が「Broadcast Yourself」の合言葉のもと自分のストーリーを世界に公開しようとYouTubeなどのプラットフォームに集まった。

 YouTube誕生から5年がたった今、同サイトは1日20億回以上視聴されている。音楽レーベルからハリウッドのメジャー映画スタジオ、そしてテレビネットワークまで、誰もがこの動きに参加したように見える。この拡大し続ける活気に満ちた豊かな環境から、DIY精神に溢れた新進気鋭のメディアスターの層が生まれつつある。この層の人々は、配信業者でもあり、コンテンツクリエーターでもあり、プロデューサーやエンターテイナーでもある。

オンライン動画広告市場の成長

 この新しいクリエーター層が生まれる主なきっかけとなったのは、動画から利益を生み出す市場が成熟しつつあることだ。オンラインメディアはかつて、紙幣を生み出すアナログメディアと異なり小銭しか稼げないと揶揄されていたが、今や効果の面でも洗練度の面でも成長し、本当の意味で利益を生み出せるようになった。単純に動画の近くに表示されるだけだったオンライン広告も進化し、今ではインストリーム広告、オーバーレイ広告、さらにはAmazon.comや「iTunes」といったサイトへリンクする「Click-to-Buy」などのEコマースリンクまである。

 例えば過去2年間で、YouTubeのトップページで提供されている広告のフォーマットは1種類から7種類に増えた。さらにオンラインマーケットプレイスが登場して、オフラインのネットワークでもオンラインのネットワークでも、米国のケーブルテレビの広告を誰もが簡単に購入し成果を評価できるようになった。テレビCM 1本当たりわずか20ドルという価格だ。

 広告が増え、フォーマットが進化し、販売方法がシンプルになると、ヘッド、ミドル、ロングテールのコンテンツすべてにわたってより幅広く広告主をつのることができる。広告主が増えれば、有能なオンライン動画コンテンツクリエーターの収入が増え、収入が増えることでさらに質の高いコンテンツが生まれる。このエコシステムが自給自足を始めようとしている。

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