ニューメディアの新進クリエーター層は、運がよかったから成功したわけではない。非常に有能で、懸命に努力したからだ。Lucas Cruikshank氏は、子どもたちには人気だが大人たちには不評のFred Figglehornというキャラクターを生み出したが、Cruikshank氏のようなユーザーを、取るに足らないニッチ狙いのクリエーターだとして片付けてしまうことはたやすい。しかし実は、この16歳の少年や他の彼のようなクリエーターたちは、従来型ビジネスの世界の大人たちが思うよりもずっと聡明だ。
このようなクリエーターたちは自分の動画の俳優やスターであるだけでなく、プロデューサーでもあり、コピーエディターでもあり、撮影監督でもある。自分を売り込む活動をし、広告契約を締結し、時にはサポートやプロモーションのためのチームを雇う。映像作品の企画を探し、配信業者となってくれるかもしれないブランド、さらには従来メディアのネットワークとも契約する。結局のところ、3000万人の15歳の視聴者に直接アピールできるチャネルと提携するためなら、多くの広告主や従来型メディアが相当の金額を支払うだろうことは明らかだ。
また、新進クリエーター層は若者なので、インターネットを自在に使える。クリエーターたちは、ウェブによってファンとのコミュニケーションとつながりを持つ独自の機会を得られることを理解している。具体的にはファンのコメントに回答したり、ファンの声に応える動画をアップロードして公開したり、Twitterを使って最新の動画の情報を投稿したり、Facebookでファンとつながりを作りコミュニケーションを取ったりする。YouTubeのようなオンラインプラットフォームから得られる詳細な分析データを活用して、視聴者が好むものと好まないものをより詳しく理解し、視聴時間帯だけでなく視聴者のいる地域までも把握する。
そのようなパートナーの1人で、毎週水曜日の朝に新しい動画をアップロードすることにしていたあるクリエーターは、自分の動画の視聴時間帯が木曜日の夜に集中していることに気付いた。そこで新しい動画を木曜日の夜にアップロードするようにしたところ、視聴者が倍増した。このようなデータは誰もが入手できる。ただ、その情報の見つけ方と使い方を知っているのが新進クリエーター層だということだ。
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