森祐治
2006/06/05 08:00
ナップスター、リアルネットワークスが相次いで日本で音楽配信サービスを発表した。実際には定額制での楽曲聴き放題(会員制)サービスは著作権料という点で、現時点では正式な合意が成立していないままの見切り発表となっている。いずれにしても、Apple ComputerのiTunes Music Storeに引き続き「黒船襲来」による結果的な門戸開放となる公算が大きい。このような状態が続く限り、このまま日本はコンテンツ提供サービスでは世界の後塵を拝し続けることになる。
会費を払えば楽曲聴き放題というサービス「RealMusic」を、日本国内では他社に先駆けて5月31日からスタートしたリアルネットワークスだが、北米では同社が唯一の存在ではない。すでにマイクロソフトが同社のベータ版のWindows Media Player 11を用い、バイアコム傘下のMTVと組んで有料楽曲配信サービス「URGE(日本ではサービスの提供自体が未定)」をスタートするなど、複数の会員型音楽配信サービスが開始されている。
実際には、リアルネットワークスもマイクロソフトのサービスも、ネットラジオという形態。複数の楽曲を編成してストリーミング配信するサービスのプラットフォームを提供するというものだ。FMラジオ放送をそのままネットに持ち込んだ形態をとるネットラジオはそれ以前のストリーミング技術黎明期から開始され、現在では幅広く利用されるに至っているが、有料での「聴き放題」というサービスの導入は最近の流れだ。
「聴き放題」サービスに先行したAppleのiTunesを用いた楽曲込みの番組データダウンロード型配信サービス「ポッドキャスト」は、短期間で広く利用されるようになった。iTMSでは今後有料化という動きもあると聞こえるが、現在、楽曲を含んだ番組などすべてのポッドキャスト番組は無料で提供されている。
ただ、日本では海外のネットラジオ、あるいはポッドキャストで一部の楽曲を楽しむことはできるものの、米国などと比べごく限られた楽曲数(あるいは、特定の期間)しか聴くことはできなかった。音楽配信の本格的な利用はiTMSや携帯電話系でのサービスで、楽曲単位でのダウンロード購入が中心だった。
しかし、リアルネットワークスの新サービス、あるいはマイクロソフトのWindows Mediaテクノロジを用いたナップスターのサービスの出現に見られるように、ようやく変化の兆しが現れてきた。それというのも、日本では、これまで音楽著作権者と配信サービス事業者の間で取り交わされるコンテンツ配信の対価料率に対しての合意が十分になされていなかった。それが、ようやく解決しつつあるからだ。
音楽著作権の信託運用サービスを行う最大手の日本音楽著作権協会(JASRAC)が、これまであったダウンロード型とストリーミング型の楽曲配信区分に加えて、ポッドキャストのような「音楽番組」型区分の新設や著作権管理テクノロジを利用した「有期限ダウンロード」などの割引料率適用などを追加。これまでよりも低廉な料率を追加したためだ。その流れの延長で、今後、より低い料率を前提とした定額での聴き放題を可能にする会員制サービスの正式な実現にも光が差してきている。
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コメント1の意見に対しコメントいたします。面白いアイディアとは思いますが、公開前の対価徴収がビジネス的に成り立つかという疑問があります。コンテンツホルダ(例では作曲者)に支払う対価(例では10万円)をどの様に回収していくのでしょうか。対価はおそらくコンテンツの配信業者が支払うとして、配信業者はユーザから月極で参加料をもらうか、サイトの広告費くらいから対価の費用を捻出することになります。これらはどちらも規模に依存したものになります。規模の大きなサイトはこのモデルが成り立つかもしれませんが、そうすると先行する海外の”黒船”に市場を支配されてしまうのではないでしょうか。
また、さらに複雑な問題としてコンテンツの2次利用、3次利用も今後必要となってくると考えられます。少し前の話ですが「電車男」の権利の帰属が問題になったことがあります。このようなモデルはコンテンツがテキストベースからリッチになっていったとしても起こり続けるのではないでしょうか。
やはりコンテンツは流通させることで対価を徴収する制度と、それを裏付けるセキュアな技術が求められるのではないかと思います。そのような視点に立つと森さんのおっしゃる”深刻な状況”も見えてくると思います。今まで権利を持っていた人が権利を持続させようとすることは仕方ないとも言えます。日本には規制をするプレーヤは存在しても、規