高成長軌道を固めるヤフー、株価上昇に期待感

 ヤフーは4月20日、2005年3月期の連結決算を発表した。インターネット広告事業が好調だったことに加え、オークションやショッピング、Yahoo!リクナビ関連事業(転職や派遣社員紹介サービス)などのビジネスサービスが好調な推移をみせたことから、売上高が初めて1000億円の大台を突破し、経常利益は600億円を超えた。

 2005年3月期の連結決算は、売上高は1177億7900万円(前々期比55.4%増)、営業利益は601億8700万円(同46.0%増)、経常利益は602億9500万円(同46.0%増)、純利益は365億2100万円(同47.1%増)となった。

 同社の収益のけん引役であるインターネット広告の販売が、ナショナルクライアントを中心に好調な推移をみせた。2005年3月期の第4四半期(2005年1〜3月)の実績では、リスティング(検索エンジンに対応したキーワード広告)事業が64億円(前年同期比77.1%増)、ニュースやファイナンスなどのメディア事業が30億円(66.0%増)、トップページを中心とした全社共通事業では18億円(59.9%増)といずれも高い成長をみせた。

 2つ目のけん引役であるコマース関連では、第4四半期におけるオークション事業の売上高が前年同期比31.1%増収の77億円となった。さらに、ショッピング事業でも同87.4%増収の36億円と高い成長率をみせた。また、2004年10月20日には1日当たりのアクセス数が10億ページビューを突破したとしている。さらに、第4四半期の連結決算についてヤフーは、売上高が358億4100万円(前年同期比58.7%増)、経常利益は174億8500万円(同39.2%増)になったと公表している。

 ヤフーは2006年3月期の第1四半期(2005年4〜6月)の連結業績見通しとして、売上高が366億円〜392億円、経常利益が156億5000万円〜172億5000万円、純利益は89億円〜100億円としている。 また、準大手証券では、2006年3月期の連結業績については、売上高1775億円(前期比50.7%増)、経常利益785億円(同30.2%増)としている。

 今期もリスティング広告のポジションが高まることや、4月からトップページの料金を5〜25%程度値上げした効果も寄与すると見込まれている。

 また、同社は設立以来初となる配当を実施すると発表している。発表によれば前3月期から連結純利益の10%を配当性向のメドにする方針で、前3月期の1株利益は4766円となったことから、1株配当は480円程度になるとみられる。一方で、2002年9月から実施していた株主優待制度を廃止した。「現金による配当実施が有効であると判断した」(ヤフー)としている。

 ヤフーの株価は、全体相場の反落傾向もあり、3月下旬の株式分割権利落ち後の26万5000円(3月28日の初値)からジリ安歩調をたどり、一時24万円を割り込む場面もみられた。しかし、ヤフーは連結ベースでの売上高が1000億円を超えて、純利益もほぼ500億円に達する規模になっても、成長率が鈍ることなく順調に拡大基調を継続していることから、今後の株価は中期的に30万円台乗せを目指すことになりそうだ。

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