ソフトバンクの取締役に、同社のグループ企業で、BtoBサイトとして有名な阿里巴巴(アリババ)グループの最高経営責任者(CEO)馬雲(ジャック・マー)氏が就任する。アリババは中国だけでなく日本語版と英語版サイトで世界に展開し、また子会社には「雅虎中国(Yahoo!中国)」や、中国で人気ナンバー1のオンラインショッピングサイト「淘宝網(Taobao)」など著名サイトを擁す。そのため馬雲氏はよく中国のIT系ニュース記事でしばしば名前が出て、中国でも著名な起業家として名が知られている。
ソフトバンクの関連会社である中国の軟銀中国創業投資有限公司(Softbank China Venure Capital)はアリババ、Yahoo!中国、淘宝網に投資してきた実績がある。同社はアリババに最も早く投資した企業であり、また2004年にはアリババに6000万ドルの投資を行っている。今回馬雲氏が取締役についたのも、ソフトバンクとアリババの関係が現在まで良好であることを物語っている。
馬雲氏とはどんな人物なのか。1964年浙江省杭州市生まれ。1988年に杭州師範学院外語系を卒業し、1995年にはサイト「中国黄頁(イエローページ)」を立ち上げる。1997年末に中国外経貿部のサイトを構築の一端を担い、1999年初めに故郷の杭州で50万元を元手にアリババのサイトを構築した。以降中国だけでなく世界で利用されている中国発のサイトとして名を馳せ、馬雲氏は2001年にForbes誌の表紙を飾り、同誌でアリババが世界で最も優れたBtoBサイトの1つであると評価され、時の人となった。
その後だが、日本版アリババはその翌年となる2002年に立ち上げられ、中国での現在のオンラインショッピングブームの火付け役となった淘宝網は2003年に1億元の投資で立ち上げられた。それまでも順調に利用者を増やしていたが、2003年のSARS大流行時には、大量の利用者を獲得した。
現在アリババは中国外向けのサービスも展開しているが、中国国内向けのサービスが主となっている感がある。そしてまたアリババは現在、海外戦略の準備をしている段階だ。馬雲氏は今回のソフトバンクの取締役就任で、ソフトバンクのグループ力を利用してアリババを日本でより積極的に展開し、ひいてはアリババの全世界戦略にも役立てようと考えている、と中国メディアは報じている。
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