Intelは3月26日に、中国の遼寧省大連市に東アジア初となる300ミリウエハの製造工場Fab 68を設立すると発表した。新規の場所でのFab建設は、1992年にアイルランドで建設されたFab 10以来15年ぶり。2007年に建設が開始され2010年に稼動予定。Intelの投資額は25億ドルで、これはここ数年の米国からの投資では最大級のもの。Intelの発表は全人代も行われる北京の「人民大会堂」で行われ、中国政府がこの発表に対し最大級の歓迎の意を表していることが伺える。
また同時にIntelは大連市政府と大連理工大学と合同で半導体のスペシャリストを養成する半導体技術学院を大連市内に設立することにも合意した。Intelは3600万ドルをかけ8インチ200ミリウエハーの半導体製造工場を提供する。
大連は中国の東北地方に位置し、中国のアウトソーシング産業の代表的な都市で優秀な人材が多く集まることで知られる都市。日本企業向けにサービスを提供する企業も数多くあり、日本語が話せる人材も多数いることでも知られる。
Intelの半導体技術と中国のそれとは、中国のメディアによれば「2世代の差がある」とのことで、中国政府関係者は中国の半導体産業全体がこれを機に促進することを期待するコメントを中国メディアにしている。
同社の工場は半導体に限らなければ上海市と四川省成都市にそれぞれ5億ドル以上をかけてCPUのパッケージ工場とテスト工場を既に建設している。また同社は中国に進出した22年の中で、工場に研究施設なども加えれば総計40億ドル以上を中国の投資に費やしているという。
ところで中国のIT系メディアによっては、このニュースについて「ライバルの米AMDとのCPUのシェア争いは工場設立という展開にまで至った」と解説しているメディアもあった。AMDは中国のPCメーカーと提携関係を結ぶことで積極的にAMD製CPUを採用させてきており、また自作PC市場でも一定の支持を受け、中国のデスクトップPC向けCPUのシェアではAMDは3割前後を獲得してきた。またAMDは2006年、上海においてR&Dセンターを開設したほか、北京大学や中国政府交通部とも提携関係を結んできた。そんな状況下で米中間での近年最大の投資が行われたため、このようなニュース解説記事が多数掲載されたのだ。
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